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心臓の酸素必要量は、どれほど激しく心臓が働いているか――どれほど速く心臓が拍動しているか、拍動がどれぐらい強いか――によって決まります。身体運動や情動によって心臓はさらに激しく働き、このため心臓の酸素必要量は増します。動脈が狭窄または閉塞して、酸素必要量の増加に見合う筋肉への血流増加が起こらなくなってきますと、虚血が生じ、痛みが生じます。 虚血のある人すべてが狭心症を経験するわけではありません。狭心症を伴わない虚血は無症候性虚血と呼ばれます。虚血が無症候性の場合がある理由は分かっていません。
最も一般的には、患者は胸骨の真下に圧迫感または痛みとして狭心症を感じます。痛みは左肩、左腕の内側、背中、咽喉、顎、歯で起こることがあり、右腕で起こることもあります。この感じを痛みというよりも不快感と表現する人が多いものです。
典型的には、狭心症は身体活動によって誘発され、数分を超えては続かず、安静にしていれば治まります。ある程度の激しい運動をすると狭心症が起こると予測できる人がいます。また、狭心症が予期せずに生じる人もいます。食事の後に運動した場合に、よりひどい狭心症が起こることが多く、寒い気候の時にも、一般に狭心症は悪化します。風が吹く中を歩いたり、暖かい部屋から寒いところに移動したりすると狭心症発作を起こすことがあります。感情的なストレスのせいで狭心症が起こったり、悪化したりすることもあります。安静にしていて強い感情がわき起こったり、睡眠中に悪い夢を見たりしたために狭心症が起こることもあります。 |
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