【出典】 |
神農本草経 上品 |
【別名】 |
紅参(コウサン)紅紅参 |
【成分】 |
コウジンサポニンのジンセノサイド(ginsenoside
Ro、Ra~Rh)、などのprotopanaxadiol、protopanaxatriolの配糖体。および精油のpanaxynolなど、糖、アミノ酸、ビタミンB群その他を含む |
【効能】 |
補益脾肺、固表の働きで脾気虚損 |
【薬理作用】 |
大補元気・安神益智・健脾益気・生津
滋補強操作用があるが機序は以下のようである。
神経系の興奮作用、下垂体-副腎皮質経の興奮作用、性機能の増強作用、強心作用・血糖の降下作用、高コレステロール血症発生抑制・血中コレステロール降下作用、抗利尿作用、抗アナフィラキシー作用
このほか初歩的な観察によると、Ehrlich
腹水ガンの生長を軽度に抑制し、実験的な胃潰瘍・心筋炎の治療と予防に一定の効果がある。 |
【臨床応用】 |
- 消化吸収機能が悪いとき(脾胃気虚)に用いる。古人は経験的に、紅参の主作用は補脾健胃であるとしている。それゆえ、消化器系の疾患(肝炎・慢性胃炎・消化性潰瘍など)やその他の原因で生じた、上腹部がつかえて苦しい・食欲がない・下痢・嘔吐などの胃腸機能の虚弱症状には、紅参を主薬にして使用する。
- 貧血に用いる。補血薬だけではあまり効果がないときに、紅参などの補気薬を加えると効果がある。
- 神経衰弱に用いる。興奮型(心腎不交)の患者に対し、精神を安定し・動悸を静め・もうろう状態を回復する。
- 性機能衰弱に用いる。とくに勃起不全型と早漏型のインポテンツに対して効果がある。
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【性味】 |
味は甘・微苦、性は微温 |
【帰経】 |
肺・脾経・心 |
【処方】 |
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【用量】 |
一般に1~9g、多いときには30gまで使用する。 |
【使用上の注意】 |
- 呼吸が粗い・発熱・脈は滑実有力・便秘・尿量が少ないなどの実熱症のときは、紅参を使用してはならない。具体的には、
- 高血圧の患者で頭痛・眩暈・のぼせ・目やに・怒りっぽいなどの肝陽上亢(肝腎の陰虚によって生じた病理現象のこと)の症状があるときは、紅参を多量に服用すると脳の充血をおこしやすく、ひどければ脳卒中を生じる。虚寒(陽虚によって生じた寒象のこと)の症状があるときは使用してもよいが、少量にすべきである。収縮期血圧が180mmHg以上のものは、どんな型の高血圧症でも服用すべきでない。
- 湿熱によって生じた浮腫は、紅参を服用するとひどくなることが多い(抗利尿作用があるため)。腎機能不全で尿量減少があるときにも使用しない方がよい。
- 実証の不眠・煩躁に用いると、睡眠障害がさらにひどくなるので使用すべきでない。
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- 紅参を長期間服用すると、頭痛・不眠・動悸・血圧上昇などが生じることがあるが、服用を中止すると次第に消失する。
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【産地】 |
日本、韓国、中国 |