生命のかぎの意味をもち、臓象学説における重要な内容の1つ。
存在部位に関しては右腎・両腎の中間など諸説があるが、機能に関する意見は一致している。概括すると、
①命門は人体の「真元」すなわち真陰(元陰)と真陽(元陽)が居するところで、父母より稟けて生来備わっており、生命の原動力である、
②命門は水・火を有し、水・火は互根互用で離れることなく、真陰と真陽の源泉である、
③三焦気化・納気・生殖など正常な臓腑機能を幇助する(命門の火が不足すると命門火衰、居所を離れて上昇すると命門火旺・離位の相火・浮火などといわれ、病変が生じる)、
④腎陰・腎陽が、命門の水・火を意味していることが多い。
腎には相火という命門の火があります。この火は身体を温めるほどの火ではなく最低生命を維持する火で種火と考えてよいものです。これを身体を温める火に変えるためには、肝胆の力を借りて燃え立たせます。そして燃え立った火を全身に送り届けて温めます。
この命門の火は、小規模ではあるけれどもこの火が消えてなくなるということは、読んで字のごとく命がなくなるということです。しかし、この命門の小さな火でも唯一できる仕事が「勃起」です。命門の火の指令によって反応し勃起させています。
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