【出典】 |
神農本草経 中品 |
【別名】 |
芷(シ)、芳香(ホウコウ)、香白芷(コウビャクシ) |
【成分】 |
フロクマリン類のビャクアンゲリコール(byak-angelicol)、ビャクアンゲリシン(byak-angelicin)ほかを含む |
【効能】 |
鎮静、鎮痛、排膿、通経、止血、抗菌
|
【薬理作用】 |
去風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止帯
鎮痛作用・中枢興奮作用・抗菌作用 |
【臨床応用】 |
- 感冒頭痛に使用する。とくに前額部の痛みに適している。また、産前産後の感冒頭痛にも適している。
- 風熱による眉稜骨痛と圧痛(眼の外嘴と眼窩上縁骨痛で、感冒・上気道炎などで生じる)に用いる。
- 副鼻腔炎(鼻淵)による頭部の脹ったような痛みに補助薬として用いる。
- 金環蛇など神経毒をもつ毒蛇の咬傷に用いる。毒蛇に対する方剤には白芷を加えることが多いが、これは中枢神経興奮作用を利用しているのである。
- 婦人の白色帯下に用いる。白芷は寒湿を温燥するので、主として寒湿による白色帯下に用いる。
このほか、白芷の鎮痛作用を利用して、風熱による歯痛には石膏などの清熱薬を配合し、節や癰の腫脹疼痛に清熱解毒薬を配合して用いる。抗菌の効果もある。頭部挫傷・頭部外傷による腫脹・疼痛に用いると症状を緩解する。
一般に、白芷ははげしい燥性があり、発散作用が強いので、血虚による頭痛には用いるべきでないとされている。
|
【性味】 |
味は辛、性は温 |
【帰経】 |
肺・胃経 |
【処方】 |
荊芥連翹湯、清上防風湯、五積散、川芎茶調散、疎経活血湯など |
【用量】 |
3~9g |
【使用上の注意】 |
- 白朮は温・燥の性質があるので、高熱・陰虚火旺・脱水(津液不足)・口や舌の乾燥・煩渇・尿が濃い・湿熱の下痢(赤痢・急性細菌性腸炎など)・肺熱による咳嗽などには使用すべきでない。
- 蒼朮との比較:蒼朮は、性味が辛烈で・燥散の性質が強く、補益力が弱い。白朮は、微辛でやや苦味があり・発散よりも補益力の方が強いので、健脾に適している。
|
【産地】 |
中国、韓国、日本 |