膣の腫瘍・・・女性の病気と異常
膣の腫瘍・・・女性の病気と異常
膣といわれる場所は、外性器から内性器への通路になっているところです。お産のときは、内性器(子宮)から外界へ、胎児を送りだす通路となります。このように、体外と体内が直接つながらないように、膣という少々長い通路があるということは、そこで、外から体内への細菌の感染をくい止める仕事もしているのです。これが、膣の自浄作用といわれるものです。尿や便で汚される機会が多い場所ですから、いつも何らかの細菌にねらわれています。そこで膣は、感染を防いでいつでも清潔な状態にしておくために、特別な働きを持っているのです。
その主役は、デーデルライン膣桿菌といわれるもので、この菌は、卵巣ホルモンの働きで膣粘膜からつくられたグリコーゲンを乳酸に変えて、膣の中を常に強い酸性に保つ働きをするのです。ですからいろいろな細菌が膣に入ろうとしても、この強酸性の環境で繁殖するとこができないために、膣は、細菌感染からまぬがれることができるのです。
膣の異常は、以上述べたように、通路としての働きができない場合と、何かの理由で細菌感染を防ぐことができなくなり、ついに炎症を起こしてしまった場合にあらわれてくるのです。
膣ガン・・・女性の病気と異常
ほとんどの場合は、子宮ガンから、連続性に蔓延してきたものです。原発性の膣ガンは、子宮頸膣部の後壁にできる場合が多いのです。そして、膣壁は筋肉組織が厚くないため、膣ガンの発育は速く、膣の全面に広がっていくだけでなく、骨盤内へも、比較的早く転移が起こるのです。好発年齢は、三〇歳以後の高年齢の女性に多いものです。治療は膣とそのまわりだけでなく、子宮も全摘除しなければなりません。抗ガン剤、放射線療法も併せ行っています。
膣肉腫・・・女性の病気と異常
非常にまれなものですが、肉腫は成人だけではなく、三歳ぐらいまでの幼児にも発生します。膣壁にやわらかい結節ができて、次第に、破れて潰瘍になっていきます。治療は、ガンと同じです。
膣絨毛上皮腫・・・女性の病気と異常
膣は絨毛上皮腫の好発部位で、多くは、子宮からの続発性のものとしてあらわれます。 症状は、がんこな出血が続くことです。膣粘膜にすけてみえる暗紫色の結節状のもので、ときには粘膜を破って潰瘍になることもあります。 治療は、摘除手術あるのみです。
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生理異常の治療は、東洋医学の得意とする分野です。漢方専門サイト「家庭の中医学」をご覧ください。