冬虫夏草

冬虫夏草は漢方では、昔から秘薬中の秘薬としていましたが、一般に注目されるようになったのは、1993年夏、ドイツのシユツットガルトの世界陸上選手権大会で、馬俊任コーチ率いる無名の中国女子選手たちが、1500mで金、3000mで金銀銅、1万mでは金銀を獲得し、その後も、さまざまな大会で数々の記録を出し、全員で11もの世界新記録を出すという快挙を成し遂げた後に、彼女らがパワーアップのために「冬虫夏草入りのドリンクを愛飲していた」と報道されてからでした。
 これについては冬虫夏草に、疲労回復の効用があるからと考えられており、今では、日本のスポーツ選手に広く利用されていると言われますし、難病にも効くと言われていましたが、とても高価だったのです。

山中国では標高3000〜4000mの高山地帯に生息するコウモリガの幼虫に寄生したキノコだけを冬虫夏草と定義しています。日本で冬虫夏草と呼ばれるキノコは、チョウ、アリ、セミ、ハエなどさまざまな昆虫に寄生したものをさします。
世界中には、300〜400種類の冬虫夏草が生息していると推定され、現在までに発見され名前が付けられているものは、226種類。そのうち、日本で発見されたものが3分の2を占めています。
冬虫夏草は最初、生きている虫に胞子が付き、虫の呼吸器、消化器などの軟らかく侵入しやすい所から入り、発芽します。発芽すると虫が死に、その虫を栄養として冬虫夏草は成長します。10数センチの細長いキノコで、日本では寄生した虫によって、セミタケ、カメムシタケ、ハチタケ、ハナサナギタケ、オサムシタケなどの名前が付けられています。

作用
1994年3月に開催された、「第114回日本薬学会」で、東北大学薬学部の近藤嘉和助教授が、冬虫夏草がガンに効果のあることを解明する研究発表を行いました。
免疫力を低下させてあったマウスに、冬虫夏草の水溶液を経口投与したところ、免疫力が健康体レベルにまで回復しました。冬虫夏草に強い免疫機能増強作用を起こす成分が含まれていることが突きとめられたのです。
その他の作用
1.気管内を浄化し、咳や痰に効果
2.血管内に付着した不純物を除去、心臓の収縮力を強化、血小板の増加
3.血糖値、血圧を正常化
4.精力を高める
5.抗酸化作用
6.ウイルスを抑える