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麦味地黄丸

麦味地黄丸(ばくみじおうがん)

麦味地黄丸「麦味地黄丸」は、漢方の古典といわれる中国の医書『医級[イキュウ]』に収載されている薬方です。
日本でもよく知られている「六味地黄丸[ロクミジオウガン]」に麦門冬[バクモンドウ]と五味子[ゴミシ]を加えた処方です。
疲労 怠感、口やのどの渇き、腰や脚の痛み、夜間多尿に効果があります。

製品名称 麦味地黄丸エキス顆粒「クラシエ
成分 成人1日の服用量21丸(4.011g)中
〔バクモンドウ・ボタンピ・タクシャ・ブクリョウ各0.280g、ゴミシ0.190g、ジオウ0.750g、サンシュユ・サンヤク各0.370g〕 添加物として、ハチミツ、滑石を含有する。
効能 疲労倦怠感、口やのどの渇き、腰や脚の痛み、夜間多尿
用法用量 1日3回食間に水又は白湯にて服用。 成人(15才以上)・・・1回7丸
15才未満・・・服用しないこと
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麦味地黄丸中医処方解説

肝腎陰虚の症状に用います。頭がボーッとする・頭がふらつく・思考力減退・めまい感・耳鳴・難聴・腰や膝がだるく力がない・口渇(とくに夜間)・咽の乾き・体の熱感・手のひらや足のうらのほてり・歯の動揺・寝汗・遺精・性欲の仮亢進(勃起不全・早漏・快感がないなどの機能不全をともなう)・尿が濃い・尿の余瀝・便がかたいなどの症候に良く用います。
女性では、無月経・経血量が少い・無排卵などがみられます。また、この症候に、乾咳・息切れ・吸気性呼吸困難・無痰あるいは粘痰ときに痰に血が混じる・口渇などの肺陰虚の症候を伴うものに適しています。舌質は紅・少苔・脈は細数。

処方名 麦味地黄丸
効能 滋補肝腎・潤肺平喘
解説 滋補腎陰の地黄が主薬です。養肝益腎・渋精の山茱萸と滋腎補脾・滋精の山薬が地黄を補佐し、肝・脾の陰を滋補し精の漏出を防止することにより滋腎を強めます。利水滲湿の沢瀉・茯苓は陰虚で流動性をなくした湿濁を取り除き清虚熱の牡丹皮と清熱の沢瀉は陰虚の内熱を冷まします。さらに、滋陰潤肺・平喘止咳の麦門冬・五味子を加え、肺腎陰虚の喘咳に適用させています。
治療の現場から 消化器が弱ければ参苓白朮散を合方します。 使用目標は、上腹部に比べ下腹部が軟弱無力の状態 腰痛倦怠・下半身が弱い 夜間排尿
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
臨床応用 慢性気管支炎・気管支拡張症・肺気腫・喘息・肺結核・アトピー性皮膚炎などで、肺陰虚・肝腎陰虚の症候を呈するものに使用します。