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牛車腎気丸

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

牛車腎気丸「牛車腎気丸」は、漢方の古典といわれる中国の医書『済生方[サイセイホウ]』水腫門項に記載されている薬方です。腎気を強める薬剤として知られている「八味地黄丸」に牛膝[ゴシツ]と車前子[シャゼンシ]を加えたものです。 従って効能・効果は八味地黄丸と同じですが、特に尿量減少の甚だしいもの、腰痛に用いられます。
尿量減少があり、疲れやすくて四肢が冷えやすい人の腰痛、下肢痛、むくみ、しびれ、排尿困難、頻尿、かゆみ、老人のかすみ目に効果があります。

製品名称 牛車腎気丸料エキス顆粒「クラシエ」
成分 成人1日の服用量3包(1包1.5g)中
牛車腎気丸料エキス粉末・・・2,400mg 〔ジオウ2.5g、サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ゴシツ・シャゼンシ各1.5g、ケイヒ0.5g、ブシ末0.25gより抽出。〕 添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。
効能 体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)
用法用量 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
成人(15才以上)・・・1回1包
15才未満7才以上・・・1回2/3包
7才未満4才以上・・・1回1/2包
4才未満2才以上・・・1回1/3包
2才未満・・・1回1/4包
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牛車腎気丸料(煎じ薬)・ K68(薬局製剤)

牛車腎気丸は、「和剤局方」に収録されている、慢性に経過し、症状の激しくない人の、胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え症、更年期障害、感冒に用いられる漢方薬です

製品名称 牛車腎気丸(煎じ薬)・ K68(薬局製剤)30日分
成分 地黄6.0;山薬・沢瀉・牡丹皮・山茱萸・茯苓・牛膝・車前子各3.0;桂枝1.0;附子0.5(適宜増量)
効能 疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少又は多尿で時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
用法用量 水を500ccと薬1日分(1袋)をその中に入れます。 弱い火で水が約半分になるまで煮詰めます。薬を取り出し薬液を1日2回に分けて服用します。
大人は上記の通り
14才~7才 大人の2/3
6才~4才 大人の1/2
4才未満 服用しないこと
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牛車腎気丸中医処方解説

腎陽虚の症状に浮腫、尿量減少をあらわすもの、いわゆる腎虚水泛の代表処方です。牛車腎気丸は八味地黄丸に牛膝、車前子を加えた処方で、風寒湿に犯されて、気血の流れが滞ることによって起こるしびれや痛みを治し、膀胱の湿熱を涼して水分の巡行をうながし、小便の出しぶりや下肢のむくみが一段と激しいものに用います。

処方名 牛車腎気丸
効能 温補腎陽・利水
解説

地黄・山茱萸・山薬は、豊富な栄養物を含み、体を栄養、滋潤し抵抗力を高め異化作用を抑えます(滋補肝腎)。
地黄は強心、抗アナフィラキシー作用を、山茱萸は白血球増加、止汗、遺精をとめる作用を、山薬は消化吸収促進、止瀉作用をもちます。
牡丹皮は、解熱、抗菌に働き、牡丹皮・沢瀉は、自律神経系の興奮をしずめます(清虚熱)。 茯苓・沢瀉は、組織中や消化管内の水分を血中に吸収して利尿作用によって除きます(利湿)。
地黄・山薬・沢瀉は血糖降下作用をもち、山茱萸・沢瀉・牡丹皮は、血圧降下作用をもちます。
牡丹皮は、血管拡張により血行を促進し、子宮粘膜を充血させ、月経を正常化します。
桂枝・附子は、循環を促進して体をあたため、全身諸機能を高めます(温補腎陽)。
附子は、下垂体一腎皮質の興奮、性機能促進などの作用をもち、沢瀉・茯苓などの利尿作用が附子・桂枝の補助により強められ、牛膝・車前子は、補益性をもち利尿を強めると共に牛膝は血管拡張により血行を促進し、とくに下半身の循環を改善します。

治療の現場から 冷えが強いときは、人参湯などを合方します 元気がない、疲れやすい、食欲不振などの気虚をともなうときは、六君子湯・人参湯・補中益気湯などを合方します。 浮腫が強ければ、当帰芍薬散などを合方します 上腹部に比べ下腹部が軟弱無力の状態(臍下不仁)
目標は、腰痛倦怠・下半身が弱い・夜間排尿
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
臨床応用 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、うっ血性心不全、老人、その他の慢性疾患で腎陽虚の水腫を呈するもの