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半夏厚朴湯

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

半夏厚朴湯「半夏厚朴湯」は、漢方の古典といわれる中国の医書『傷寒論[ショウカンロン]』『金匱要略[キンキヨウリャク]』の婦人雑病篇に収載されている薬方です。
胃腸が弱く、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う方の不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声に効果があります。

製品名称 「クラシエ」漢方半夏厚朴湯エキス顆粒
成分 成人1日の服用量3包(1包1.0g)中
半夏厚朴湯エキス(1/2量)・・・750mg 〔ハンゲ3.0g、ブクリョウ2.5g、コウボク1.5g、ソヨウ1.0g、ショウキョウ0.65gより抽出。〕 添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。
効能 気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:神経性胃炎、不安神経症、つわり、せき、しわがれ声
用法用量 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
成人(15才以上)・・・1回1包
15才未満7才以上・・・1回2/3包
7才未満4才以上・・・1回1/2包
4才未満2才以上・・・1回1/3包
2才未満・・・1回1/4包
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半夏厚朴湯料(煎じ薬)・ K161(薬局製剤)

半夏厚朴湯は、「金匱要略」に収録されている、気分がふさいで、のどや食道の異物感を伴う不安神経症や咳、つわり等に用いられる漢方薬です。

製品名称 半夏厚朴湯(煎じ薬)・ K161(薬局製剤)30日分
成分 半夏6.0;茯苓5.0;生姜4.0;厚朴3.0;蘇葉2.0
効能 気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときにどうき、めまい、はきけ等を伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声
用法用量 水を500ccと薬1日分(1袋)をその中に入れます。 弱い火で水が約半分になるまで煮詰めます。薬を取り出し薬液を1日2回に分けて服用します。
大人は上記の通り
14才~7才 大人の2/3
6才~4才 大人の1/2
3才~2才 大人の1/3
2才未満 大人の1/4
を1回とし1日2回服用
3カ月未満 服用しないこと
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半夏厚朴湯中医処方解説

悪心・嘔吐・吃逆に上腹部膨満感やつかえなどの気滞の症状をともなう痰飲による胃気上逆に使用します。舌苔は白膩・脈は滑。 咳嗽・白色の喀痰・咽喉部の刺激感・嗄声・胸部が脹って苦しいなどの症状で、甚しければ呼吸困難あるいは喘息様発作をともなう痰湿による肺気逆に使用します。軽度の浮腫を生じることもあります。舌苔は白膩・脈は滑。また、 食事などの嚥下に障害がなく、咽に梗塞感があり吐いても出ずのみこんでもとれない梅核気(痰気欝結)の症状に使用します。舌苔は白~白膩・脈は滑。

処方名 半夏厚朴湯
効能 理気降逆・化痰散結
解説 半夏・生姜・紫蘇葉は、鎮嘔、制吐の作用が強く、また胃腸の境動を調整します(和胃降逆)。
痰の抑制、鎮咳にも働き(化痰止咳)、厚朴は平滑筋のけいれんを緩解し蟻動を強め、呼吸困難、喘鳴を止め腹部膨満を除きます(理気)。
厚朴・紫蘇葉は、ゆううつ感、抑うつ感を緩解し、自律神経系の緊張をゆるめます(理気解欝)。
茯苓は、組織内や消化管内の水分を血中に吸収し利尿によって除き(利水)、また半夏とともに鎮静に働きます。
治療の現場から 精神症状や自律神経系の症候が強ければ、加味逍遥散・柴胡桂枝湯・大柴胡湯などを合方します。 気管支炎・気管支喘息などで炎症傾向があれば、小柴胡湯などを合方します。
使用目標は、悪心、嘔吐食欲不振、全身倦怠などを伴う 心窩部の振水音を認める 腹部膨満感
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。燥性が強いので、痰飲・痰湿の症候を呈するもの以外には注意が必要です。特に陰虚には禁忌です。
臨床応用 神経性胃炎・胃炎・気管支炎・気管支喘息・咽喉炎・声帯浮腫・神経性嘔吐・妊娠嘔吐・咽部神経症・ヒステリーなどで、痰飲・痰湿による気逆あるいは痰気欝結を呈するものに使用します