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杞菊地黄丸

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

杞菊地黄丸「杞菊地黄丸」は、漢方の古典といわれる中国の医書「医級[イキュウ]」に収載されている薬方です。
「杞菊地黄丸」は、「六味地黄丸[ロクミジオウガン]」に菊花[キクカ]と枸杞子[クコシ]を加えた処方で、体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりや口渇がある人のかすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力低下などに効果があります。

製品名称 杞菊地黄丸料エキス顆粒「クラシエ」
参考価格
成分 成人1日の服用量24丸(6.0g)中
〔クコシ・キクカ各0.288g、ジオウ1.152g、サンシュユ・サンヤク各0.576g、ブクリョウ・ボタンピ・タクシャ各0.432g〕 添加物として、ハチミツ、滑石を含有する。
効能 体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりや口渇があるものの次の諸症: かすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力低下
用法用量 次の量を1日3回水又は白湯にて服用。 成人(15才以上)・・・1回8丸 15才未満 ・・・・・・服用しないこと
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杞菊地黄丸中医処方解説

肝腎陰虚で、目がかすむ・目がくらむ・まぶしい・目の乾燥感や痛み・視力減退・頭痛・頭のふらつきなどの肝陰虚・火旺(肝陽上亢)の症候が顕著にみられるものに使用します。舌質は紅~深紅・少苔・脈は弦細数。

処方名 杞菊地黄丸
効能 滋補肝腎・清肝火・明目
解説

地黄・山茱萸・山薬は、豊富な栄養物を含み、体を栄養、滋潤し抵抗力を高め異化作用を抑えます(滋補肝腎)。
地黄は強心・抗アナフィラヰシー作用を、山茱萸は白血球増加、止汗、遺精をとめる作用を、山薬は消化吸収促進、止清作用をもちます。
牡丹皮・沢瀉・伏苓は、鎮静に働き、牡丹皮は、解熱、抗菌に働きます。牡丹皮・沢瀉は、自律神経の興奮を鎮めます(清虚熱)伏苓・沢瀉は、組織中や消化管内の水分を血中に吸収して利尿作用によって除き(利湿)、地黄・山薬・沢清は血糖降下作用をもちます。
山茱萸・沢瀉・牡丹皮は、血圧降下作用をもちます。 牡丹皮は、血管拡張により血行を促進し、子宮粘膜を充血させ、月経を正常化させます。
枸杞子は滋養強壮・肝機能保護作用が報告されています。
菊花は解熱作用・毛細血管抵抗性増強作用があります。

治療の現場から 疲れやすい・無力感・元気がない・食欲不振など気虚の症候が強いときには、参苓白朮散などを合方します。 イライラ、のぼせ、ほてりなど(陰虚火旺)が強いときは温清飲や加味逍遥散などを合方します。
使用目標は、上腹部に比べ下腹部が軟弱無力の状態 腰痛倦怠・下半身が弱い 夜間排尿
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
臨床応用 中心性網膜症・視神経萎縮・球後視神経炎・白内障などの眼疾患、あるいは高血圧症・自律神経失調症などで、肝腎陰虚・肝火旺の症候を呈するもの。