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人参

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人参(にんじん)

オタネニンジンPanax ginseng C.A.Meyer(ウコギ科Araliaceae)の根。朝鮮人参(チョウセンニンジン)、高麗人参(コウライニンジン)、単にニンジンとも呼ばれる。人参は、加工調製法により名称を異にする。掘り採生根を水洗後そのまま干乾し乾燥したものを白参(はくじん、はくさん)、生干人参または御種子人参、蒸して熱風乾燥したものを紅参(こうじん)、湯通調製したものを雲州人参という。なお軽く湯通ししたものも御種子人参として局方品に規定されている。

【出典】 神農本草経 上品
【別名】 人薓(ジンジン)(古名)
【成分】 ニンジンサポニンのジンセノサイド(ginsenoside Ro、Ra~Rh)、などのprotopanaxadiol、protopanaxatriolの配糖体。および精油のpanaxynolなど、糖、アミノ酸、ビタミンB群その他を含む
【効能】 強壮、強精、鎮静、抗疲労、強心、利尿
【薬理作用】 大補元気・安神益智・健脾益気・生津
滋補強操作用があるが機序は以下のようである。
神経系の興奮作用、下垂体-副腎皮質経の興奮作用、性機能の増強作用、強心作用・血糖の降下作用、高コレステロール血症発生抑制・血中コレステロール降下作用、抗利尿作用、抗アナフィラキシー作用
このほか初歩的な観察によると、Ehrlich 腹水ガンの生長を軽度に抑制し、実験的な胃潰瘍・心筋炎の治療と予防に一定の効果がある。
【臨床応用】 消化吸収機能が悪いとき(脾胃気虚)に用いる。古人は経験的に、人参の主作用は補脾健胃であるとしている。それゆえ、消化器系の疾患(肝炎・慢性胃炎・消化性潰瘍など)やその他の原因で生じた、上腹部がつかえて苦しい・食欲がない・下痢・嘔吐などの胃腸機能の虚弱症状には、人参を主薬にして使用する。
貧血に用いる。補血薬だけではあまり効果がないときに、人参などの補気薬を加えると効果がある。
神経衰弱に用いる。興奮型(心腎不交)の患者に対し、精神を安定し・動悸を静め・もうろう状態を回復する。
性機能衰弱に用いる。とくに勃起不全型と早漏型のインポテンツに対して効果がある。
【性味】 味は甘・微苦、性は微温
【帰経】 肺・脾経
【処方】 温経湯、呉茱萸湯、柴胡桂枝湯、十全大補湯、小柴胡湯、参蘇飲、清心蓮子飲、釣藤散、女神散、人参湯、人参養栄湯、麦門冬湯、半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯、白虎加人参湯、補中益気湯、六君子湯
【用量】 一般に1~9g、多いときには30gまで使用する。
【使用上の注意】 呼吸が粗い・発熱・脈は滑実有力・便秘・尿量が少ないなどの実熱症のときは、人参を使用してはならない。具体的には、高血圧の患者で頭痛・眩暈・のぼせ・目やに・怒りっぽいなどの肝陽上亢(肝腎の陰虚によって生じた病理現象のこと)の症状があるときは、人参を多量に服用すると脳の充血をおこしやすく、ひどければ脳卒中を生じる。虚寒(陽虚によって生じた寒象のこと)の症状があるときは使用してもよいが、少量にすべきである。収縮期血圧が180mmHg以上のものは、どんな型の高血圧症でも服用すべきでない。
湿熱によって生じた浮腫は、人参を服用するとひどくなることが多い(抗利尿作用があるため)。腎機能不全で尿量減少があるときにも使用しない方がよい。
実証の不眠・煩躁に用いると、睡眠障害がさらにひどくなるので使用すべきでない。 人参を長期間服用すると、頭痛・不眠・動悸・血圧上昇などが生じることがあるが、服用を中止すると次第に消失すると漢薬臨床応用に記載がある。人参の持つ温性の働きが必要としないときにおきるものではないかと考えます。
【産地】 日本、韓国、中国
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