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山梔子

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山梔子(さんしし)

クチナシGardenia jasminoides Ellis(アカネ科Rubiaceae)またはその近縁植物の成熟果実を乾燥したもの(日本薬局方収載名は「サンシシ山梔子」)。一般に果実の形態が丸様のものを山梔子、長様のものを水梔子という。コワチナシG. jasminoides Ellis var. radicans (Thunb.) Makinoの果実を用いることもある。

【出典】 神農本草経 中品
【別名】 巵子(シシ)、水梔子(スイシシ)
【成分】 カロチノイドのα‐crocin、イリドイド配糖体のゲニポサイド(geniposide)、genipin、脂肪油など
【効能】 消炎、解熱、鎮静、止血、緩下、整腸、胆汁分泌促進
【薬理作用】 清熱瀉火・涼血解毒
解熱作用、黄疸消退作用、止血作用、抗菌・抗真菌作用、鎮静作用、降圧作用
【臨床応用】 湿熱による黄疸(急性伝染性肝炎・血清肝炎など)に用いる。歴代の中医は山梔子を黄疸に対する主薬としていたが、最近の実験でも主として黄疸消退の作用があることがあきらかになった。
熱傷の感染で、発熱・煩渇・煩躁などの熱象がみられるときに用いる。
種々の炎症に用いる。目の充血・腫脹・疼痛・流涙・口が苦い・口乾・胸があつ苦しい・夜間睡眠不足などの肝熱の症状があるときに適し、消炎・鎮痛する(清肝熱)。
打撲・捻挫などに、生山梔子の粉末を小麦粉と卵白でねって湿布する。
この他痔の炎症性疼痛に、山梔炭の粉末をワセリンとまぜ塗布すると鎮痛効果がある。
喀血・鼻出血で湿熱の症候をともなうときに、山梔炭(黒山梔)に他の涼血止血薬を配合し、たとえば咳血方を用いる。
【性味】 味は苦、性は寒
【帰経】 心・肝・肺・胃経
【処方】 茵陳蒿湯、黄連解毒湯、温清飲、加味帰脾湯、加味逍遥散、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯、清上防風湯、防風通聖散、竜胆瀉肝湯
【用量】 3~9g
【使用上の注意】 梔子鼓湯は、熱性疾患回復期の不眠・胸があつ苦しいなどの症状に用いるものである。古人は経験的に、生山梔子を服用すると嘔吐しやすい(炒山梔子ではおこらない)としている。実際には、痰がつまって胸苦しいときに梔子鼓湯を服用すると、嘔吐しやすく、嘔吐のあとはかえって気分がよくなる。痰や胸苦しさがないときには嘔吐は生じない。
虚寒による泥状便には使用してはならない。
【産地】 中国、日本
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