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水蛭

生薬情報目次

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水蛭(すいてつ)

ウマビルWhitmania pigra Whitman、チスイビルHirudo nipponia Whitman(いずれもヒルド科Hirudidae)など、またはこれに近似の種の全体を乾燥したもの

【出典】 神農本草経 下品
【別名】 至掌(シショウ)、馬蛭(バテツ)、馬蜞(マキ)、沙塔干(シャトウカン)、螞蝗(マコウ)
【成分】 蛋白質、ヒスタミン様物質および新鮮なものにはヒルジン(hirudin)を含む
【効能】 駆瘀血剤、凝血溶解剤
【薬理作用】 破血逐瘀
“破血”とは、蓄血(脈管外に貯瘤する血液、内出血。)や瘀血を循環血液中に吸収するか大便として排泄することである。
現代医学的にみると、抗凝血と血管拡張によって血液循環を改善し吸収を促進することが考えられる。新鮮な水蛭にこのような作用があるのは、hirudin が血液凝固を延長・阻害し、煮沸によっても hirudin の抗凝固作用は消失せず、また分泌物中のヒスタミン様物質には血管拡張作用があるからである。水蛭を炮製したのちの抗凝固や血管拡張作用の有無・効能の程度・有効成分については、さらに実験研究や臨床観察を進めることによって結論を出さねばならない。
【臨床応用】 打撲捻挫に用いる。内臓の挫傷で体内に瘀血による腫脹や内出血があるときに用いる。
抗ガン剤として試験的に用い、一般に他の抗ガン性の中草薬製剤(丸・散・錠剤)に配合して内服する。
【性味】 味は鹹・苦、性は平。有毒
【帰経】 肝・膀胱経
【処方】
【用量】 多量に服用するのはよくない。煎剤には一般に1.8~4.5g、抗ガンには最大6~9g。散剤では0.3~0.6g、最大1.5~2.5g。水蛭はなまぐさいにおいがあり、煎じると一層ひどくなるので、粉末にしてカプセルに入れて沖服するのがよい。
【使用上の注意】 薬力が激しいので邪実(実証)だけに適応し、以下の状態には使用しない。
体質が虚弱で、脈が軟弱・無力のもの。
妊婦。
出血傾向のあるもの。
貧血の患者(水蛭を服用すると貧血が悪化することが多い)。
このほか、一般に水蛭を服用する時には、補気血の薬剤を補助的に用いて身体を保護すべきである
【産地】 中国
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