|
腎の陽気のおとろえがはげしくなったときは、からだをじゅうぶんに温められなくなるため、全身がいつも冷えた状態になります。
このような「腎陽虚」の状態では、元気がない・顔色が青白い・寒がる・頭のふらつき・耳鳴り・腰やひざに力が入らず、冷えて痛む・手足の冷え・むくみ・尿が透明で多い・夜間頻尿あるいは排尿困難・舌がはれぼったくなって淡い色になり、つるつるした苔がつく・脈が「細遅」、といった症状があらわれます。さらに陽気のおとろえが進むと、むくみがひどくなり、不消化の下痢あるいは明けがたの水様便・呼吸困難などの症状をともなうようになります。
治療は、「火のおおもと」である腎の陽気を補う「八味地黄丸]」や「牛車腎気丸」で行います。腎や肝のはたらきを高めるとともに、精や血、気を補い、冷えや有害な水分である「寒湿」を除く「大防風湯」や「右帰飲」などもいいでしょう。
さらに病気が進んで症状が強くなった場合には、「右帰丸」などで治療を行います。 |