【効能】 |
滋陰和胃・滋陰補腎 |
【適応症】 |
胃陰虚、湿熱に対する代表処方です。口中や舌に口内炎や潰瘍が出来、熱い物や冷たい物、辛い刺激物などを食べるとしみて、ひどい場合には口に物を入れただけで激痛が走り食べられなくなります。また、歯茎が腫れて膿んだり出血します。甘露飲は胃の炎症を鎮め、口中を潤すことにより、口腔内のさまざまなトラブルに対応します。 |
【類方比較】 |
黄連解毒湯:顔がのぼせ、熱感があり、落ち着きがない方の口内炎、出血、神経症に使用します。
加味平胃散:暴飲暴食が原因で、消化不良を起こし、下痢する人の口腔トラブルに使用します。
桂枝茯苓丸:血行不良で下半身が冷え、上半身がのぼせる人の歯茎の鬱血に使用します。 |
【解説】 |
地黄・麦門冬、天門冬は体に潤いを与え熱を去り、黄芩、枇杷葉は上焦の熱をさまし枳実は理気作用によって上焦の熱を解すのを助けます。石斛も補陰の働きにより脾胃の虚熱を除き、茵蔯蒿は湿熱をとります。甘草は、これらの作用を調和します。9種類の生薬が陰虚内熱を改善し口腔内トラブルを改善します。
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【治療の現場から】 |
甘露飲を使うようなタイプは、津液不足によって体が熱を帯びるいわゆる陰虚内熱の人で、慢性病や疲労による消耗や津液が不足した事によって虚熱が生まれ、口腔内が乾燥し粘膜が萎縮している状態の方です。再発を繰り返す難治性の口内炎や歯周病の人が多く、中には慢性病に付随して発症したり免疫異常を伴うことも多くあります。
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【臨床応用】 |
慢性歯周炎、歯槽膿漏、口内炎、咽頭炎、慢性胃炎などで胃陰虚、湿熱を呈するもの |