月経血量の異常・・・女性の為の婦人科サイト
「月経血量の異常」「過多月経」「過少月経」「月経前緊張症」「無排卵性月経」
月経血量の異常
無月経
月経が全くないことを無月経といいますが、原発性無月経と続発性無月経があります。
原発性無月経
思春期になっても全く月経が始まらない(初潮がおとずれない)場合をいいます。原発性無月経の約八五%は、一生月経をみることがなく、妊娠を期待することはできません。
先天的な原因としては、子宮、卵巣などの発育異常と機能不全があるものや、中枢性には視床下部や下垂体前葉系統に異常がある場合です。
月経が発来するのは、視床下部→下垂体前葉→卵巣→子宮と、この一連の命令系統による生理機能によるものですから、このうちのどこかに欠陥があれば、月経は起こらないのです。
しかし、子宮や卵巣の機能が正常で、思春期になって子宮からの出血はあるのですが、性器の先天異常、たとえば処女膜の閉鎖や膣閉鎖、膣欠損があって、出口がふさがれているために、月経として出血が認められないことがあります。この出血がちつ血腫、子宮溜血腫となってたまるのです。
後天性の原因としては、思春期以前に、全身の重症な病気にかかって、そのために子宮や卵巣の発育が阻害されてしまったために、一生月経をみることがなくなった場合です。
視床下部性無月経
間脳・下垂体性無月経
卵巣性無月経
子宮性無月経
続発性無月経
妊娠や、更年期からくる生理的な無月経は別として、かつて一度でも月経を体験したのち、月経がこなくなってしまう場合をいいます。その原因も、原発性無月経のところで述べたことと同じですが、視床下部→下垂体前葉→卵巣→子宮、のどこかが、二次的に障害を起こしたとき、月経の周期は乱れるし、続発的に無月経となってしまいます。腫瘍のために両側の卵巣を摘除してしまったり、卵巣が残っていても子宮を摘除してしまった場合には、月経はなっくなってしまいます。また、何度も人工妊娠中絶をしたために、子宮内膜が萎縮してしまったときにも、無月経になります。
間脳・下垂体性続発性無月経
@精神的ストレス
A栄養障害による無月経
Bシーハン症候群
Cホルモン剤の乱用
D乳汁分泌による無月経
E頭部外傷や精神病からくる無月経
Fホルモン性無月経
G流産後
卵巣性続発性無月経
子宮性続発性無月経
甲状腺・副腎皮質の疾患による無月経
糖尿病性続発性無月経(全身性無月経)
無月経の治療
以上のように、無月経の原因は非常に多いのですが、絶対に治療不能な先天性の無月経以外は、局所的、全身的、精神的、環境的な諸因子に対して、それぞれ適切な時期に、適切な治療をすれば正常な月経周期をとりもどすことができます。しかし、未婚の女性の場合、婦人科に訪れるのがいやなばかりに、そのまま長い間放置しておく場合が多いのです。長く放置すればするほど回復も悪くなり、強力にホルモン療法を行っても正常な月経周期に回復することが、非常に困難になってきます。既婚女性では妊娠と直接結びつく問題ですから、早期に婦人科に相談にくる場合が多く、治療に対しても熱心です。とにかく、いちばん困るのは、かなり長期間無月経のままに経過した人の治療なのです。
視床下部と下垂体の働き
ホルモン分泌の最高中枢は視床下部といいます。これは脳のうちでも間脳といわれるところにあって、下垂体の働きを支配するだけでなく、体中のあらゆる内分泌腺の働きや生命に、直接かかわりある代謝の働きを支配する総支令部になっています。下垂体は脳のほぼ中心部にあって、小指の先ぐらいの内分泌腺です。前葉、中葉、後葉に分かれていて、それぞれからいろいろな種類のホルモンが分泌されています。女性ホルモンとか男性ホルモン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなどの分泌に関しては、下垂体前葉が支配していて、その調節のもとに調和のとれた働きを保っています。
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生理異常の治療は、東洋医学の得意とする分野です。漢方専門サイト「家庭の中医学」をご覧ください。