顔の不調(目と目の周辺のチェック)
顔の不調(目と目の周辺のチェック)
目は口ほどにものをいう、とよくいいますが、毎日鏡で目を見ることによって目そのものの病気だけでなく、貧血、多血、肝臓病など、かなりの病気の症状を見ることができます。
黒目と白目の異常
目には、黒目と白目がありますが、黒目の真ん中の部分(水晶体)が白っぽく濁ってくるのが白内障です。また急性緑内障では、ひとみが緑っぽく見える特徴があります。
一方、白目の部分が黄色になってきたら黄疸と考えなくてはなりません。黄疸は、肝臓病や胆石、胆嚢炎、胆道系の病気、血液の病気などの際に見られるサインです。
ただし、歳をとるにつれ白目は真っ白ではなく、いくらか黄色みを帯びてきます。これは黄疸ではありません。黄疸の場合は鮮やかな黄色になりますから、その区別は一般の人にもそう難しくはないはずです。黄疸のときは顔、腕、胸などの皮膚も黄色くなりますが、いちばんわかりやすいのが白目の変化です。
柑皮症といって、にんじんやカボチャ、みかんなどカロチンの豊富な食品を多量に食べたあと、手のひらや足の裏が一時的に黄色くなることがありますが、この柑皮症では白目が黄色くなることはないので、黄疸との区別は白目を見ることでわかります。
白目が赤く充血することは、結膜炎、また目の使いすぎによる疲労などがあります。その他、寝不足やお酒の飲みすぎなどでもよく起こります。
まぶたが腫れぼったい
朝起きがけにまぶたが腫れぼったいのは、だれにも共通のごくふつうの現象です。一晩中、横になっていたために血液が顔にたまってしまったためで、起きてしばらくすれば、この腫れは解消してしまいます。しかし、これが昼間になっても続いているとなると、むくみによる腫れと考えなくてはなりません。 まぶたのむくみでは、まず腎炎などの腎臓病が考えられます。むくみが出る病気は、他に心臓病があります。心臓病の場合は、まぶたにも現れますが、一般的には足がよくむくみます。 腎炎になると、細い血管の壁は中から外へと水分を通しやすくなり、そのためまぶたのように脂肪や筋肉組織が少なく皮膚の薄い部分に、水分がたまりやすくなります。これが腎炎でまぶたがむくむメカニズムです。腎炎や心臓病が原因のむくみは、両方のまぶたがむくみます。片方だけのまぶたが腫れたときは、ものもらいが考えられます。この場合は赤みを帯び、痛みやかゆみがともないます。
まぶたがピクピクする
平常心で鏡に向かったとき、まぶたや顔の筋肉がピクピクしていたら、これには二つの原因が考えられます。 その一つは、目の使いすぎなどによる眼精疲労で、ピクピクの大部分はこれと考えてよいでしょう。現代生活では、家庭でも職場でもテレビ、ビデオ、ワープロ、パソコンなど視覚文化の隆盛時代です。それに加えて都会などでは夜おそくまで起きている夜型生活が定着し、だれでも慢性的に目を酷使しています。せめて休日などには、ゆっくり目を休養させたいものです。 もう一つの原因は、甲状腺機能亢進症で、これは甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるため、必要以上に新陳代謝がたかまり、体が興奮した状態になってしまうものです。 この病気の場合は、まぶたの震えはさざ波を打つように震え、目をつむっても震えるのが特徴です。さらに、この甲状腺機能亢進症では、眼球が前に突き出てくるため、目がランランとして、顔つきが険しく見えてくる特徴があります。このほかにも、のどぼとけの近くの甲状腺が腫れる、脈拍が速くなる、動悸がする、汗が出やすい、落ち着きがなくなるなどの症状が見られます。
あかんべえをして眼瞼結膜を見る
医師が患者を診察するとき、必ず「あかんべえ」をさせます。このまぶたを見ることで貧血や、多血、結膜炎などがわかるのです。 まず鏡に向かって「あかんべえ」して、自分の結膜を見てみましょう。ちょうどいい赤色なら心配はありませんが、結膜の赤みが少なく白っぽかったら貧血ぎみです。それに対して結膜がただれたように赤い場合には、まず結膜炎が疑われます。結膜は上下のまぶたの裏側と眼球の正面を、角膜との境まで覆っている透明な膜です。ここに細菌やウイルスが感染したり、アレルギーが原因で起こる炎症が結膜炎で、かゆみや痛み、そして目ヤニなどをともなうのが普通です。 結膜の色が赤く、結膜炎症状がないときには、貧血とは反対の多血症が考えられます。多血症は赤血球増多症とも呼ばれ、他の症状としては頭痛がくり返し起こったり、めまいがしやすくなります。 もうひとつ赤い粘膜は、急な血圧上昇などによって起こる結膜下出血でも見られますが、この場合は、放っておいても1〜2週間で自然に治ります。
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