肝と眼の関係
眼とのかかわりが最も深い肝
内臓が自然界に向かって開いている出入り口を「竅キョウ」といいます。
からだにある九つの竅キョウの中で、眼は、肝の竅と考えられています.また、眼を潤す涙は肝液と呼ばれています。
「肝は血を受けてよく視る」といわれ、肝が貯蔵し流量を調節する血の栄養と潤いを十分に受けることができて、眼ははじめて正常な視力を保つことができます。
腎と眼の関係
精を蓄える腎と、眼の関係
腎は、全ての内臓の精を貯蔵したり流量を調節します。この「蔵精」の働きによって、脳や髄がみたされると、頭脳は明晰となって、眼に輝きがあらわれ、ものをはっきりとみわけることができるようになります。
肝と脾の関係
脾は、眼の活動エネルギー
脾は、食べ物を消化吸収して生まれた、精・気・血・津液を運び、精の中でもとくに質のよい成分である「清陽」を生み出します。清陽は、脳や眼といった、特に精度の高い感覚器官に送られ、エネルギーになります。また、脾のもつ「升提」の力は、まぶたの開閉を正常に保っています。
心と眼の関係
心の状態は、眼の輝きとなって現れる
心は「血脈を主る」臓器で、血液循環を維持したり「神明の舎」として精神神経活動を行っています。
心が統括する五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きが調和し、五臓の精気(気・血・津液・精)が盛んな状態なら、眼が生き生きとして視力が充実し、ものの色や形を識別することができ、眼に力がみなぎります。これを中医学では、「神光がある」といい、いわゆる眼に輝きのある状態をさします。「心の外候は眼である」といわれていることからも、「神機」とよばれる生命活動や精神神経活動が、眼にあらわれることがあります。