口内炎の原因とメカニズム
現代医学では、細菌や薬剤によるものなどの特殊なケースを除いて、ほとんどの口内炎は原因もメカニズムも不明とされます。治療も対症療法が主体となるため、反復性の口内炎などには、対処法があまりありません。
一方、中医学では、口内炎を単なる局所的な炎症とはとらえず、内臓の異常の表れと考えます。そのため、問題が起こっている臓器を治療することで、炎症をしずめるとともに、再発を防ぐことができます。
口内の症状とかかわりが深い臓器は、「心」と「脾胃」です。特に、唇の裏や舌の奥には脾胃、舌の先は心の問題が現れやすいといわれていますが、やはり決め手は胃腸症状の有無です。胃腸症状があれば脾胃、なければ心を中心に治療を進めます。
口内炎を起こす直接の原因として、最も可能性が高いのは「熱」です。この熱が「実」のタイプか「虚」のタイプかを見極めることが、診断のポイントとなります。治療は、実の場合は熱を取り除き、虚であれば水分を補って熱の発生を抑えるという方法をとります。ただし、抵抗力が落ちている人や虚弱な人の場合は、熱が原因ではないこともありますので、見極めには注意が必要です。