痛風と漢方
中医学の考えで、おもしろい解説をしてみたいと思います。痛風の西洋薬と大差がなく痛風治療できる処方の紹介
痛風の痛みがある人は、舌の色が紅で黄膩苔です。殆どの方が、酒を好み美食家であります。そうではない人もいますが身体になんらかの変化があって舌の色が紅で黄膩苔になります。よってこの病気の方は、これから紹介する処方で殆どの方がこの処方でよいと思われます。
痛風の漢方治療に期待
痛風は、高尿酸値のためにおきます。中医学で痛風の病因は、脾胃の昇降失調と考えます。
痛風の人に美食家の方が多いというのはなるほどです。脾胃の昇降失調があるために湿熱が発生して下注し、そのために気血の運行が阻害されたと考え、中医学では「湿熱痺」と呼んでいます。
一般的な痛みと痛風の痛みの考え方
一般的な痛風の痛みでは、風寒湿の三つの原因がありますが、痛風の場合足に発症しているので風がからむことはありません。何故なら、風は上に影響を与えますが、下にある足には風はないからです。それが、「湿熱痺」とといわれる訳です。湿熱が足の親指あたりまで下がって炎症を起こしそのために気血のめぐりが悪くなり痛風の痛みが発生いたします。「防風通聖散」「竜胆瀉肝湯」の併用をします。服用期間は痛みが止まるまでです。
痛風の痛みが止まったあとほとんどの人が痛風治療を何もしません。
痛風治療は、脾胃の昇降失調の改善です。
【治療の現場から】
忙しい人の為にエキス剤での服用をお薦めします。それは手軽に服用できるからです。性格的に煎じ薬は続けて服用できません。
エキス剤での昇降失調を整えるために基本法剤は、「半夏瀉心湯」です。
しかし、黄芩・黄連も若干の利湿はしますが積極的に利湿するのは半夏です。そのために利湿を強くし尿を出すことを考え「猪苓湯」を併用します。しかし、これで降濁は出来ても昇清が出きるかというと「半夏瀉心湯」にはそれが出きるのは乾姜と人参しか入っていません。
一般的に痛風を患う人が肥満型で舌の色が紅で黄膩苔ということであればこの乾姜・人参があうはずがありません。エキス剤では除去出来ません。しかし、昇清を強めなければいけません。そこで辛味の生薬が入っている発散剤によって下から上へ持ち上げて発散させるものを加えます。加える処方は「十味敗毒湯」です。
「半夏瀉心湯」「猪苓湯」「十味敗毒湯」の三種類の処方を一年間服用されるとよいと思われます。