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気が停滞すると痛みが発生 |
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中医学では、気体や液体に転化しながら体内のあらゆるところに栄養を運んでいる「気」が滞ると、痛みがおこると考えています。そのため、胃の痛みに関する治療も「通じさせる」ことがポイントになります。通じさせる役割を持つ臓は、精神・情緒をつかさどる「肝」です。肝と「脾胃」の関係は密接で、肝の働きが停滞すると脾胃に問題がおこり、脾胃が機能停滞を起こすと肝に十分な栄養を与えることができなくなるという相互関係があります。ストレスや悩みがあると胃腸の調子が悪くなり、胃腸の調子を崩すと憂鬱になるのは、まさに肝と脾胃の関係を表しています。
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急な痛み・緩やかな痛み |
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腹部に痛みがある場合、現代医学ではまず検査によって病変がおこっている部位を突き止めるのに対し、中医学では、①緩・急②寒・熱③虚・実という痛みの程度や性質を参考に、病気のタイプを見極めていきます。冷たいビールを一気に飲んだり、寒いところにいってからだが冷えると、急に胃が痛むことがあります(「急」)。これは、寒冷によって胃腸が急速に緊張し、機能が停滞したために起こる痛みです。寒冷ばかりでなく、食べ過ぎによる消化不良が原因で急に痛むこともあります。一方、悩みやストレスが原因となっている場合、痛みはゆっくりと始まり、だんだん強くなっていきます(「緩」)。これは、肝の機能停滞が胃腸の働きに影響し、気を滞らせてしまった状態です。また、もともと胃腸が弱い人がは、食べるものを上手に消化・吸収することができないため、胃に余った水が生まれます。この水が肝の働きを邪魔すると、徐々に痛みが現れるようになります。 |
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