膀胱には、尿をためて外に漏れ出さないようにする働き(「約束機能」)があります。この機能は、膀胱と密接な関係がある腎の支配を受けています。子どものうちは、腎の機能も未熟なため、頻繁に夜尿を起こしますが、六歳くらいまでなら、それほど気にする必要はありません。寝る前は飲み物を控える、利尿作用のある果物はあまり食べない、といった生活上の注意だけで十分です。
漢方治療を行ったほうがいいのは、
- 腎の機能が未熟である。
- 気が不足している。
- 精神的な問題が影響して、肝が機能失調を起こしている。
- 膀胱の働きが湿熱によって乱されている。
といった原因で起こる夜尿症です。この場合は、他の臓腑との関連も考えて診断と治療を行います。
・腎の働き
腎は、人間の成長や発育、生殖器や老化をつかさどる臓器で、生命エネルギーのおおもとである「精」を蓄えている。また、全身の水分代謝を調節し、排尿をコントロールしているため、膀胱とは密接な関係がある。
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