【効能】 |
補血益気・熄風 |
【適応症】 |
血虚の肝陽化風で、顔色がわるい・皮膚につやがない・四肢のしびれ感・筋肉のひきつりなどの血虚の症候と、のぼせ・ほてり・めまい・ふらつき・手足のふるえ・耳鳴などの肝陽化風の症候をもなうものに使用します。舌質は淡白・脈は弦細。 |
【類方比較】 |
八味地黄丸:下腹部の腹壁緊脹が低下し、陰萎や頻尿、夜間排尿など排尿異常を訴えて高血圧のある場合に用ます。(腎陽虚)
釣藤散:高血圧症で、慢性の頭痛、肩こりを訴え、怒りやすく、眼球結膜の充血などのある場合に用います。(脾胃気虚で肝陽化風)
黄連解毒湯:高血圧症で、赤ら顔でのぼせやすく、頭痛があり、不安、不眠、心棒元進のある場合に用います。(心、肝胆火旺)
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【解説】 |
当帰・芍薬・地黄は、豊富な栄養物を含み、全身を栄養、滋潤し、神経機能や内分泌機能を正常化させます(補血)。
当帰・川芎は、血管拡張によって循環を改善し、栄養物の分配、供給を強め、当帰・芍薬・川芎は、子宮筋の収縮を調整して正常化させます。
当帰は子宮の発育促進に働き、四薬すべてがもつ栄養、滋潤、血行促進などの作用により、子宮、卵巣などの機能を改善して、月経調整に働きます(調経)。
芍薬・当帰・川芎は、鎮静作用をもち、自律神経系の失調を改善します。地黄・芍薬には、ある程度の止血効果があります。釣藤鈎は、鎮痙、鎮静作用をもち、顕著な降庄作用があります。黄耆は、消化吸収や全身の機能を高、黄柏は、脳充血を除いて降圧効果を示します。
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【治療の現場から】 |
★手足のほてりがあって夜間排尿など腎虚の症状があれば、六味丸と合方します。
★泥状便など脾の病気が明らかであれば、参苓白朮散を合方します。
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【使用上の注意】 |
食欲不振、下痢など脾胃気虚のものには注意して使用します。 |
【臨床応用】 |
自律神経失調症・更年期症候群・高血圧症などで、血虚・肝陽化風を呈するものに使用します。 |