【効能】 |
袪風湿・解表・止咳平喘・止痛 |
【適応症】 |
風湿の表証:頭痛・頭が重い・軽度の悪寒・微熱・腰や背中あるいは全身のしびれ痛みとだるさ・運動障害などの症候があり、舌苔は白・脈は浮。 |
【類方比較】 |
麻黄湯:頭痛、発熱、悪寒などがあり、発汗傾向がまったくなく、急性の関節痛や筋肉痛を伴う場合に用います。太陽の傷寒)
薏苡仁湯:関節症状が本方より一層顕著で、慢性化している場合に用います。(湿痺)
桂枝加苓朮附湯:冷え症の傾向があり、四肢関節の腫脹、痺痛が一層顕著な場合に用います。(寒湿痺)
防已黄耆湯:疲れやすく、多汗、浮腫・関節の腫脹、痺痛などがある場合に用います。(気虚の風水証) |
【解説】 |
麻黄・薏苡仁は、しびれ痛みを改善する(社風湿)。
甘草は、鎮痛によりこれを補助します。また、組織中の水分を血中に吸収して利尿作用により除き、浮腫を改善します(利水)。
杏仁もこれを補助し、麻黄は、表在血管を拡張して血行を促進します(通陽)。
甘草は、諸薬を調和し、胃腸を保護します。薏苡仁も消化吸収を促進する働きがあります。また、薏苡仁は、消炎に働き炎症をしずめる作用もあります。(清熱)。
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【治療の現場から】 |
★症状が慢性化しているときは薏苡仁湯に変方します。
★痛散湯は、麻杏薏甘湯に防已を加えたものです。
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【臨床応用】 |
感冒・インフルエンザ・ねちがい・頸肩腕症候群・腰痛症・坐骨神経痛などで、風湿の表証を呈するものに使用します。 |