羅布麻茶(ヤンロン茶・ラフマ茶)
羅布麻茶(ヤンロン茶・ラフマ茶)
ヤンロン茶の原料は、中歯に自生する羅布麻というキョウテクトウ科の植物の葉っぱです。
古くから民間で愛飲されてきたこのお茶も、今では高血圧、動脈硬化、ぜんそく、免疫機能改善、鎮静などの効果が確認され、薬として認められている。中国に数え切れないほどあるお茶の中でも、国が薬として認めたお茶は唯一、羅布麻茶だけ、というのだからすごいお茶なのです。
ところが、玉石混交の商品がよく出回る中国のこと、羅布麻茶でもいろいろな品質がある。そこで本物の羅布麻茶に「ヤンロン(燕龍)茶」という日本名をつけ、日本人好みにした茶葉が販売されるようになりました。
ノンカフェインだからいつ飲んでもリラックス
成分の特徴としては、ミ、そフルが豊富なことが第一に挙げられる。そして、カフェインが含まれていないうえに精神安定作用もあるので、就寝前でも安心して飲むことができます。
近年、ヤンロン茶の研究は日本でも盛んだ。第16回和漢医薬学会で羅布麻葉に関する論文を発表した富山医科薬科大の門田垂利教授に、その効果を聞いてみた。
血圧、コレステロール活性酸素消去、免疫力向上
私の研究所ではヤンロン茶に早くから着日し、多くの研究を行ってきました。日本で発表されている著しい効果としては、血圧正常化作用があげられるでしょう。血圧を下げる要因はケルセチンとハイペリンというフラボノイドにあるといわれています。
また、ヤンロン茶には血中の総コレステロールの濃度を下げる働きがあり、特に悪玉を著しく低下させ、反対に善玉をとげるという理想的な作用が確認されています。
これは動脈硬化の予防にもつながることです。このほか、活性酸素を消去する働きや免疫力を高める効果などが認められます。
さらに私たちは、このお茶には著しい肝臓保護活性があることを見いだしました。
ラットにヤンロン茶の水エキスを1週間経じ投与した後、肝障害を誘発する物質を注射します。」定時問後採血して、肝障害を誘導するTNF・αと、肝障害の指標であるALTの値を測定してみました。
すると、TNF・α値のヒ昇は抑制されないまま、ALT値の上昇ははっきりと抑えられていたのです。その抑制レベルは、欧州では肝障害の医薬品であるシリマリンと同程度で、かなり有意な数値です。
ヤンロン茶は肝障害誘発因子の働きを弱めるということが示唆され、ヤンロン茶の活性成分のより詳細な検討を行いました。
その結果、分離した15種類の化合物いずれもが肝臓保護活性に関与しているということが分かり、ヤンロン茶はウイルス、薬物中毒、アルコールなどを原因とする慢性肝炎などの肝疾患予防及び、それらの治療に有用であると見ることができます。
羅布麻茶よりもヤンロン茶培煎技術で効果は高まる
今回の研究によりフラボノイドの一種アポシニンを新しく分離しました。ヤンロン
茶の特徴的な成分であるこの化合物について、さらに研究を深めたいと思っています。
興味深いことは、これらの研究を羅布麻茶でも試みましたが、すべてにおいてヤンロン茶を用いた結果のほうがヒ回っていました。独特の倍煎法が寄与しているようですが、この点の解明は今後の課題といえます。ヤンロン茶には多くの可能性が秘められている、これが研究者としての実感です。