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高血圧と漢方薬

現代医学による高血圧の診断と治療

 健康診断などで「高血圧症」といわれる人はかなりいます。しかし、高血圧症には自覚症状がないことが多く、原因を絞りこむことが難しいため、根本的な治療がしにくいのが現状です。 心臓と血管系を中心とする循環器系は、酸素と栄養を全身に運ぶ重要なネットワークです。血圧は、心臓から送り出される血液の量と、血管の抵抗力という、二つの要素によって決まります。ホルモンや神経などによって心臓や血管の働きが変化すると、心臓から送り出される血液の量や血管の抵抗力も変化します。そのため、血圧がある程度の幅で一時的に高くなったり低くなります。
 ところが、何らかの原因で心臓から送り出される血液の量(一定時間あたりの拍出量)が多くなりすぎたり、血管内の血流量(循環血液量)が増えすぎたり、血管が収縮して血管の内腔が狭くなると、血圧が高くなります。この状態が慢性的になると、さまざまな症状が起こるようになります。
 高血圧症に対するWHO(一九九三年)の基準では、最高血圧が180以上、最低血圧が105以上のものを中等・重症高血圧症、最高血圧が140以上180未満、最低血圧が90以上105未満のものを軽症高血圧症としています。