瘀血と関節の変形
リウマチが慢性化するとからだの中で病理産物が生まれ病気が複雑になる
関節リウマチが慢性化すると、気や熱エネルギー、津液の通り道である「三焦」と、陽気や血が循環する「血絡」の流れが滞り、三焦では痰濁が、血絡では瘀血が生まれます。痰濁とオ血が互いに結びつくと、リウマチ結節や関節の腫脹、さらに変形がおこり、関節が固定されて、関節を屈伸することが極端に制限されるようになります。
腎や肝の働きが衰えさらにからだの中で生まれた発病因子が集まると、関節や骨が変形する
関節リウマチの経過が長びくと、生命活動のおおもととなる精をたくわえる腎や、血をたくわえる肝の働きが慢性的に衰える「肝腎虚損」の状態になります。
肝腎虚損には、陽気が慢性的に不足する「陽虚」と、精や血あるいは津液が慢性的に不足する「陰虚」の、二つのタイプがあります。
陽虚は、もともと陽気が不足しているため、ふだんから冷えやすいタイプです。このような人は、寒邪が風邪や湿邪とともに侵入して、寒性の関節リウマチがおこりやすいのですが、寒邪は滞ると熱を帯びてくるので、寒と熱がまじった症状が現れるようになります。
陰虚は、血や津液などの「陰液」が不足しているため、相対的に余った陽気が熱邪に変わって、からだの中にこもりやすいタイプです。陰虚の人は、熱性の関節リウマチがおこりやすいといえます。
また、この段階になると、湿邪は痰濁に生まれ変わり、血の流れが滞って生まれた瘀血と結びついて、骨や関節に付着して固まるため、リウマチ結節や関節の変形もおこるようになります。こうなってしまうと、完全に治すことは難しくなります。