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■ 心は五行の火に属し、腎は水に属する
心は火を主り、腎は水を主る。腎水は上昇して心を助け、心火は下降して腎と交流することによって、心火が高ぶらないようにし「心腎相交」「水火既済」といわれ、協調関係を保っています。
もし、腎陰が不足したために、腎水が上昇して心を助けることが出来なくなれば「心腎不交」「水不済火」という病理変化が起きます。すなわち腎陰が不足するという病証と心火が高ぶるという病証が現れます。
具体的には、虚煩、不眠、五心煩熱、イライラして落ち着かないなどと、腰膝酸軟などの精虚の症状です。
「温病条弁」のいう「陽は高ぶって陰に入らず、陰は虚して陽を受けられず・・・陰陽はそれぞれ孤立して交流しない」というメカニズムです。
■ 心腎不交
症 状 心煩、不眠、多夢、驚きやすい、腰膝酸軟、めまい、耳鳴り、口乾、舌燥、盗汗、舌紅、少苔
治 法 滋陰降火、養心安神
方 剤 黄連阿膠湯
黄連阿膠湯は、黄連、黄芩で心火を清し、阿膠・芍薬で肝血腎精を補い、鶏子黄で心腎を補いながら心腎を交通させる構成になっていますが、補腎陰がやや不足するので六味地黄丸を合方するとよいでしょう。 |
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