不妊治療は多様でです。不妊治療に定法がなく、非常に難度が高いものです。<br>
不妊症は難治の疾病であり、病因・病機も複雑です。できるだけ基本に忠実に理解しやすいように解説したいと思います。少し言葉が難しかったりしますが、用語解説をご覧になり理解してください。今まで治療の現場でやってきたことを抜粋し解説していきたいと思います。しかし、この情報が全てでないことを理解し中医学の不妊治療を実践してみてください。
脾腎陽虚(このタイプが一番多い)
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脾と腎の両方の陽虚ではありますが、当初は腎陽虚だったのがその後、腎陽の不足によって脾の陽気不足にまで発展したものを脾腎陽虚と呼びます。
脾腎陽虚の症状
- 女性の基礎体温の高温期が無い或いは高温期があっても不完全です。
- 足腰が冷える
- 寒がり
- 夜間排尿がある
脾腎陽虚の不妊症の方には、上記の症状が必ずでてきます。このような腎陽不足が時間の経過と共に脾の陽気を傷つけ食欲不振・下痢・軟便などの症状をもつようになります。
(不妊治療その1)
治法は、温補腎陽
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腎は精をもっていて腎陽の作用によってその精を血に変化させるという働きあるのにその腎陽が不足しているために精を血に変えることができない場合、気血不足が生じてきます。よって、気血双補という治療も同時にしておきます。
月経の状況
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腎陽虚の女性の場合は、「虚寒」が生じます。それによって収縮され月経周期は後期となります。それに、精が血に化すことができないので月経量が少なくなります。もちろん、高温期が無いことが多くなります。
病機
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腎陽虚で月経後期で経血量が少ないと何故妊娠しないかといいますと、腎陽虚のための子宮虚寒だからです。そのために、男性の精と女性の精が結合することができなくなって不妊症となります。治療は暖宮といって、子宮を温める治療をします。
処方
よって、鹿茸大捕湯と温経湯の併用となります。
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