【効能】 |
温腎補陽・生精補血 |
【適応症】 |
虚労で少気する一切の虚損をなおすとあり、男性のインポテンツ、女性の不妊症、子供の発育不良、糖尿病、高度の貧血、病後の衰弱などに応用されます。鹿茸大補湯は、温腎補陽・健脾益気の剤が中心となっています。腎陽が不足、脾の運化が不足すれば陰液を生ずることができないため、補陰、補血の剤が配合されています。 |
【類方比較】 |
八味地黄丸:口渇、軽度の排尿痛のはか、全身倦怠感、足腰の冷えや痛みを訴える場合に用います。腎陽虚の証。
六味丸:腎陰虚、虚熱の症状があります。
小建中湯:虚労(倦怠感が著しい)、裏急(腹壁が薄く腹直筋の上の方がつっ張っている)、尿異常の無い人に使用します。
桂枝加竜骨牡蠣湯:精力減退、多尿など腎陽虚の症状があり腹部の動悸がある人に使用します。少腹弦急、(気血不足、虚陽) |
【解説】 |
鹿茸・肉蓯蓉・炮附子・杜仲で補陽し、人参・黄耆・大棗・白朮・甘草で補気します。
半夏・茯苓・生姜で脾を健脾して脾運を高め固渋の五味子、また当帰・芍薬・地黄で補血します。
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【治療の現場から】 |
★気虚の状態が明らかであれば補中益気湯を合方します。
★虚寒で瘀血がある時は温経湯を合方します
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【使用目標】 |
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上腹部に比べ下腹部が軟弱無力の状態(臍下不仁)
腰痛倦怠・下半身が弱い
夜間排尿
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
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【使用上の注意】 |
明らかな熱証には用いてはいけません。 |
【臨床応用】 |
インポテンツ・女性の虚寒による帯下、不妊症・病後の衰弱・耳鳴り・腰痛・神経痛 |