病気解説

◎細菌性下痢

下痢に、急な発熱、さしこむような腹痛、おう吐、下腹部痛をともないます。便は水様性で、粘液や血が混ざり、一日数回〜数十回排便します。内科を受診します。現在では、国内での感染はほとんどありません。

◎酸素欠乏症急性アルコール中毒

絶えず続く頭痛に、めまいをともなう。→救急車を呼び病院へ運ぶ。

◎耳管狭窄症

急激に起こる難聴。耳の症状をともない、徐々に難聴

◎子宮ガン

女性の体にできる悪性腫瘍のもので、最も代表的なものが子宮ガンです。子宮の粘膜面に発生するもので、ほとんどの場合が子宮に原発性の腫瘍です。悪性腫瘍の中でも最も頻度が高く、性器にできる悪性腫瘍のうちでも第一位を占めるほどで、子宮筋腫とならんで女性性器の二大腫瘍の一つなのです。

◎子宮筋腫

子宮筋腫はだれにでもよく知られた腫瘍で、下腹の具合が悪いと、成人女性ではすぐに「筋腫でもできたのかしら」と、最初にその病名をあげるくらいです。 そのほんとうの原因はまだわかっていませんが、子宮筋の筋細胞から発生してくるものであると考えられています。最初、筋腫芽として始まり、それがだんだん肥大増殖していき、筋腫結節に発育してきます。 筋腫芽は、必ずしも一個ではなくて、数個かそれ以上の数が散在しているもので、ときには、多数の筋腫結節がお互いに融合して、一個の結節になる場合もあるのです。結節を形成している筋細胞は、次第に増殖して大きな筋腫に発育していくのです。 発育の速度は、一般には非常にゆるやかで、かなりの年月をかけて大きく成長していきます。しかし、筋腫の中に血管が多数入り込んで栄養の行き届く種類のものでは、比較的速く成長する傾向にあります。 筋腫の発育は、卵巣の働きとも密接な関係があって、特に卵胞ホルモン(エストロゲン)は、その増殖を促進する働きがあると考えられています。 実際に、更年期以後(閉経以後)では、発育が止まってきて、年とともに萎縮する傾向にあります。 筋腫が発生する場所は、子宮体部と、子宮頸部ですが、その九〇%異常は子宮体部にできるものです。ですから子宮筋腫の大部分は、子宮体部筋腫といえるでしょう。 また、子宮体部でも発生場所の子宮の層によって区別されます。子宮の表面近くにできる漿膜下筋腫、子宮筋層内にできる筋層内筋腫(壁内筋腫)、子宮の内腔近くにできる粘膜下筋腫などです。発生する場所と、層によってそれぞれ異なった症状をあらわすのです。 筋腫の性状は、こりこりしたかたいこぶで、結節の原形は球状をしています。非常に強靱で、かなりかたい弾力性のあるこぶで、色は白色に近く、光沢さえあります。そして結節自体の表面はなめらかで、結節を包んでいる外被との境界がはっきりしているために、くるりと結節だけを取り出すことができます。 子宮への影響は、筋腫の発生部位や、筋腫の数や大きさによって違ってきます。漿膜下筋腫の場合は、子宮体の形はほとんど変わりませんが、子宮体の外側に飛び出したこぶに触れます。その数が多いときには、子宮の表面全体が八頭のような形になってしまいます。 子宮自体の形が一番変形するのは、筋層内筋腫の場合で、筋腫の数が多いときや筋腫自身が大きくなったときには、子宮の形はでこぼこになってしまいます。 子宮粘膜下(子宮内腔側)にできた場合(粘膜下筋腫)は、子宮腔内で大きく発育する形になるので、子宮は全体として大きくなり妊娠子宮のようになってきます。 子宮頸部筋腫の場合は、それが大きくなると外子宮口から膣のほうへ押し出されてきます。筋腫が娩出されているような形になるので、筋腫分娩といわれます。 筋層内筋腫や、粘膜下筋腫がある場合は、筋腫の位置にもよりますが、大きくなるにつれて子宮の内腔も形や大きさが変わってきます。このような場合には筋腫による月経の異常(過多月経)が起こってくるのです。 だれでも一番心配になることは、筋腫自体が良性でも、いずれそれがガンになるのではないかということでしょう。子宮筋腫に併発するガンは、文献によるとおよそ三%ぐらいだとされています。これは、筋腫も何もない子宮に発生するガンの率よりも、筋腫子宮に併発する体ガンの割合のほうが多いのです。また、肉腫との合併も比較的多く、ガンとの合併とほぼ同じくらいだといわれております。 子宮筋腫の発生しやすい年齢は、統計的にみますと、四〇〜五〇歳が最も多く、次に三〇〜四〇歳。五〇〜六〇歳と二〇〜三〇歳がほとんど同数で、六〇歳以上、二〇歳以下では、ほとんどみられないものです。三〇〜五〇歳までの女性の約二〇%は、筋腫を持っているといわれるくらい、多い腫瘍なのです。

◎子宮筋層炎

子宮の筋肉自体に炎症があるものですが、子宮筋に原発性に炎症を起こすことはあり得ないので、ほとんどの場合は子宮内膜炎に引き続いて、筋層のほうに炎症が及んでくるのです。 抗生物質の発達によって、子宮内膜炎自体ほとんどなくなっている現在では、子宮筋層炎もめったにかかる病気ではありません。ごくまれに、お産のあとの不潔な処置のために、炎症が子宮の筋肉にまで及ぶこともあります。

◎子宮頸ガン

子宮ガンとしては典型的なものです。胃とならんで、ガンが最も好んで発生する部位です。女性に発生するガンのおよそ三分の一ぐらいは、この子宮頸ガンなのです。 発生年齢については、どのガンについてもいえるように、大部分(約九〇%)は三五歳以上で、そのうちでも、四〇歳代が最高、ついで三〇歳代と五〇歳代が同じくらいで、減少の傾向にあります。 発生の誘因としては、前に述べたこととほぼ同じことがいえますが、大多数は既婚者であることと、そのうちでもお産の経験のある人、さらにはお産の回数が多い人ほど、発生率が高い結果になっています。そして、分娩回数の多い人ほど、発生の年齢が若く、早期に発生する傾向がみられます。 これは、分娩のときに起こる子宮頸管部の裂傷や、子宮膣部がいたんでしまうことによって、子宮膣部びらんや、慢性の子宮頸管炎になりやすいことに、関係があるのではないかと考えられています。 また、ユダヤ人女性には子宮頸ガンがほとんどみられないことから、包茎の人の陰茎の包皮内にある一種のあかであるスメグマが、発ガンの誘因になるのではないか、とも考えられています(ユダヤ人の習慣として男児が生まれるとすぐ、割礼といって陰茎の包皮を切り取ってしまうので、包茎の男性は一人もいない)。

◎子宮頸管ポリープ

頸管粘膜の一部が、赤くてやわらかい腫瘤となって、外子宮口から、膣に向かって垂れ下がってきたものです。米粒大のものから、指頭大のものまであって、ちょっとさわっただけでも出血しやすい組織ですから、性交のときや、便秘があってすごくいきんだときなどに、出血することがあります。 また、月経が終わったと思ってもいつまでも少しずつ出血が続くとか、月経と月経の中間期に、下着につく程度の出血があるときは、診察してみると往々にして、このポリープが原因になっていることが多いのです。 ポリープは良性のものですし、悪性のガンなどに変化することはめったにありませんから、そう心配なものではありませんが、不正出血に驚かされることがあるので、取り去った方がよいでしょう。 治療は非常に簡単で、ポリープの根もとから切り取ってしまえばよいだけですから、一,二分もあれば終わります。患者さん本人は、痛くもかゆくもありません。切り取ったあとに、しばしば再発を繰り返すことがありますが、また切り取ればよいのです。

◎子宮頸内膜炎

子宮内膜炎と同じように、ほとんどの場合、化膿菌と淋菌による場合が多いのです。特に頸管内膜は、淋菌が好んで感染を起こす場所なのです。 症状は、おりものが非常に多くなってくること以外にはありません。膿のような粘液性のおりものが非常に多くなってきます。そのままにしておくと、不妊症の原因になる場合も少なくありません。

◎子宮絨毛上皮腫

胎児成分である絨毛上皮が、異常増殖することによって発生する腫瘍です。胎児成分から発生する唯一の腫瘍ですから、妊娠なしには発生し得ないものです。

◎子宮体ガン

子宮体部に原発するガンです。悪性度は子宮頸ガンよりも軽く、転移を起こりにくいのです。ガンの進行度も遅いので症状が出てから、手術をしても手遅れになることが少ないのです。 好発年齢は、五〇歳以後に多く、六〇歳代になって発生する場合もかなりみられます。四〇歳より若い人にはほとんどみられません。妊娠、分娩の経験のない女性や、未婚の女性のほうに多く発生する傾向にあります。 子宮体ガンは、かなり高齢まで発生するものですから、平均寿命が延び、いつまでも若々しい女性が多くなってきている現在では、子宮体ガンの発生率が次第に多くなってきています。こんな年寄りに、婦人科など縁がないなどと考えないで、何歳になってもやはり定期検診による早期発見は、たいへん重要なことなのです。

◎子宮膣部びらん(ただれ)

子宮ガンの検診や、人間ドックが普及しているので、びらんという言葉は、ほとんどの人が耳にしたことがあるでしょう。たとえば、「びらんがあるので、半年に一回は子宮ガンの検査をしたほうがよいでしょう」とか、「おりものが多いのは、びらんがあるからです」とか「この出血は、流産のためではなくて、びらんからの出血でしょう」といった具合に、婦人科の診察を受けると、たいていの場合、びらんという言葉が出てくるものです。 そして、一般的には、びらんがあると子宮ガンになりやすい、というふうに認識されており、「びらんがありますね」といえば、「子宮ガンは大丈夫でしょうか」との質問がすぐに返ってくるほどです。 それほどよく知られたびらんでも、子宮膣部という、膣の奥深くのいちばん突き当たりにある部分にできるものですから、実際に、自分の目でみて確かめることはできません。したがって、たいへんなびらんがあるといわれても、手足の傷や、やけどのただれを目でみて驚くほどにはぴんとこないようです。実際に自分の目でみることができたとすると、だれでも気持ちが悪くなるようなただれの状態となっているのです。 びらんは、子宮膣部の扁平上皮がすっかりはがれてしまって、粘膜下の組織が丸出しになっている真性びらんと、粘膜下の組織が円柱上皮の薄い膜でおおわれている仮性びらんと、二種類あります。びらんといわれるものの大部分は、仮性びらんに属するものです。 原因は、先天性のものと後天性のものがあります。後天性のものは妊娠、分娩などによって頸管が外にめくれたようになって、頸管の円柱上皮が子宮膣部にまで露出するようになった場合、子宮頸部が肥大したために、子宮頸粘膜が下垂してきて、外方にあらわれている場合などに起こります。 症状は、肉眼的には、赤くただれたようにみえて、診察の際に綿でふいただけで、簡単に出血します。びらん面からは、いつでも分泌物が多くて、ねっとりした、おりものが多く出ています。そのおりものに雑菌が感染したときには、びらん面の炎症が強くなって、さらにおりものが増加して、増加したおりものによって、いっそうびらんがひどくなるといった悪循環がみられることもあります。 びらん面は、綿でふいても出血するくらいですから、性交による刺激で出血することもあります。いきんだときや、ときには、特別なきっかけがなくても、ときどきおりものに血がまざることがあるのも、このびらん面からのことが多いのです。 しかし、びらんを持っていても、ほとんど無症状で過ごす人が大多数で、検診のときなどにいわれて初めて知るくらいです。成熟女性では、びらん面の広さの程度が違っても、九〇%ぐらいの人にびらんがみ受けられるほど多いものです。 症状があるにしろないにしろ、これだけ多く女性が、子宮膣部びらんを持っているのです。さらに悪いことには、この子宮膣部は子宮ガンの好発部位なのです。このことからびらんと子宮ガンの発生の間には、何らかの関係があるのではないかと考えられるのです。 子宮ガンの初期では、肉眼的には、びらんとほとんど区別ができませんので、婦人科医はびらんをみつけると、子宮ガンの検査をするのです。また、びらんがあっても、無症状の人が非常に多いので、定期的なガンの検診が非常に大切な意義を持っているのです。びらんの程度によっては、一年に二回ぐらいは検診を受けるほうがよいでしょう。そうすれば、ごく初期の子宮ガンでも、手遅れにならずに発見することができるからです。 びらんがあると、おりものが多くなり細菌が感染しやすいために、炎症が強くなります。したがって、びらんそのものの治療は別としても、膣の洗浄や、抗生物質の膣錠を使うことによって、炎症をとることができます。炎症がなくなっただけでも症状は軽くなります。 しかし、びらんそのものは、薬によってはなかなかなおるものではありません。電気焼灼といって、電気メスでびらん面をきれいに焼きとってしまって、そのあとに健康な上皮が形成されるのを待つ方法があります。 同じような理由ですが、冷凍手術によって、びらん面を凍らせて、取り去り、そのあとに健康な上皮が形成されるのを待つ方法もあります。また、外科的に、びらん面を切り取ってしまう、スツルムドルフ氏手術を行う場合もあります。

◎子宮内膜炎

子宮に細菌が入っていくきっかけになるようなことがあったかどうか、たとえば、自然流産や人工妊娠中絶、異物を膣の中に置き忘れて、そのままになっていたことがあるとか、そういったことに引き続いて症状があるときは、子宮内膜炎を疑うことができます。 急性子宮内膜炎の症状は、強烈な感染があった場合は、発熱、下腹痛、膿のようなおりもの、それにときには血液がまじるとこもあります。慢性子宮内膜炎の場合は、主に結核菌の感染によることが多く、慢性の経過をとるためにほとんど症状が出ません。しかし無月経になることもあり、不妊症の原因になることもあります。 老人性子宮内膜炎では、内子宮口や、子宮頸管が狭くなっているので、子宮腔に、膿がたまって、子宮が次第に大きくふくれてくることがあります。これを子宮溜膿腫といいます。子宮ガンのときにもこのような状態になる場合もありますので、老人の場合は、単なる炎症によるものか、子宮ガンなのか、注意深く診察してもらうことが大切です。

◎子宮内膜症(エンドメトリオージス)

子宮内膜の組織が、子宮内膜以外の場所にも発育する病気のことです。この病気は、決して悪性ではなく、良性ですが、この病気によって引き起こされるさまざまな症状や影響は、女性にとって非常に苦痛で重要な病気です。

◎子宮肉腫

非常にまれな病気ですが、悪性腫瘍の一つです。未熟な細胞から発生した場合は発育の速度が速く、成熟細胞から発生したものは、比較的ゆっくりと発育します。したがって、三〇歳以前の若い人に発生した場合には、進行が速いのですが、更年期前後に、しかも、筋腫の内部に併発したような場合には、ゆるやかに増大していきます。 好発年齢は更年期のあとか、それ以後に最も多く発生します。しかしガンと違うとことは、三〇歳以前の若い人にも比較的多く発生をみることです。

◎子宮の異常

子宮は、受精した卵子を、一人前の胎児にまで育て上げる臓器であるということは、だれでもご存知でしょう。母親のことを「おふくろさん」と呼ぶように、子宮を、かつてその中で育った懐かしい古里の感じとして、その呼び名にするくらいです。 このように、子宮といえば女を代表するように考えられ、非常によく知られた、親しみのある臓器でしょう。 したがって、その異常とか、病気についてもかなりくわしい知識を持っておられるようです。しかし、女と子宮というと非常に文学的に密接なむすびつきでの理解の仕方が強いので、他の部分の病気でも、何でも子宮の具合が悪くなったという一言で、理解しようとする傾向があります。 これはたいへん不正確な勘違いで、他の臓器との関連はありますが、子宮は子宮の病気として理解できれば、ちょっとした婦人科の異常に対して、やみくもに不安をつのらせなくても、冷静に理解し、受け止めることができるのではないでしょうか。

◎子宮の炎症性の病気

子宮に細菌が感染したときに炎症を起こすのですが、その細菌感染の大部分は、外から膣を通って子宮に入ってくるのです。しかし、結核菌の感染は、主に肺結核からくるものが多く、結核菌は血液にまじって、血管を流れ、子宮にたどりつき、そこに病巣をつくることになるのです。 外から感染して炎症を起こす原因となる菌は、化膿菌である連鎖状球菌とブドウ状球菌、それに淋菌があります。体内から血流に乗って感染する原因菌は結核菌です。 感染のきっかけとなる原因は、自然流産をしたとき、その後の処置を病院でちゃんと受けないで放っておいたときとか、人工妊娠中絶をするときに、消毒が不完全だった場合、分娩のあとで、外陰の消毒がうまくいかなかったり、まだ十分回復していないのに、性行為を行ったりした場合などに、子宮内感染を起こすことがあります。 また、月経のとき、不潔なタンポンを膣内に詰め込んだり、タンポンを膣の中に長い間置き忘れたりした場合も、手当が遅れると子宮内にまで炎症を起こしてしまうことがあります。 淋菌による感染は、成人では直接性行為によって、膣から子宮頸管、子宮腔へと淋菌が進んでいき、炎症を起こすのです。 すぐれた抗生物質が発見される前は、子宮の感染症は非常に多い病気でした。しかし、抗生物質の進化によって、現在では、どの細菌による感染もほとんどみられなくなってしまいました。

◎子宮の腫瘍

子宮は、卵巣とならんで非常に腫瘍の発生しやすい臓器です。しかしその種類は卵巣ほど多くありません。体に差し障りのある腫瘍の主なものは次の四種類です。

◎耳硬化症

耳の症状(耳鳴り音がしだいに大きくなるなど)をともない、徐々に難聴になる。

◎四十肩

腕が上がらないほど痛む。肩を動かすと痛く、一定以上腕が上がらなくなります。とくに起こりはじめが症状が強く、夜も眠れないほどです。肩の周囲組織が炎症を起こすもの。老化が原因ですがあきらめず、きちんと診断を受けて治療すること。

◎自然気胸

冷や汗がでるほどの胸の激痛。胸痛をともなう 肺疾患 (チアノーゼ、瀕脈)。強い息切れ、呼吸困難をともなう。

◎歯槽膿漏

健康な歯ぐきはきれいなピンク色です。 「歯ぐきが赤くなって腫れている」「暗紫色になっていたり、ぶよぶよしている」「膿がたまって白っぽくなったところがある」「指で押すと血や膿が出てくる」などの症状があれば、歯槽膿漏と考えて間違いないでしょうから、歯科医で適切な治療と指導を受けてください。 歯槽膿漏は、放置すると歯を台なしにするだけでなく、細菌の巣となって全身の重い感染症を引き起こすこともあるので、きちんと治療してください。歯槽膿漏以外に歯ぐきから出血する口腔の病気には、歯肉炎や口内炎があります。また、口の中や歯ぐきに異常がないのに、出血が起こるときは、ビタミンC欠乏症や紫斑病のような血液の病気、糖尿病、高血圧などの病気が隠れている場合もあるので、内科医を受診して原因を確かめましょう。

◎紫斑病

鼻血が出ると止まりにくいため注意。主治医へ連絡する。口の中や歯ぐきに異常がないのに、出血が起こるときは、内科医を受診しましょう。

◎脂肪肝

肝臓の細胞に多量の脂肪が蓄積された状態。肝細胞が大きくなるため、肝臓も肥大する。よほどひどくならないと、肝臓病を思わせる症状は出ない。原因は過剰栄養、アルコールの過剰摂取、糖尿病、薬剤などによる。食事療法などで早く養生すれば、比較的に治りやすい病気。東洋医学の得意な分野でもあります。

◎十二指腸潰瘍

右の肩甲骨の下の片側がぬけるように痛む。激しい頭痛、めまい、発熱、腹痛などをともなう。症状が激しい。おう吐物に血が混じる。原因がわからない。特に腹痛や下痢をともなうことが多い。→内科を受診する。

◎宿便

お年寄りや寝たきり老人の左下腹部にしこりがあるのは宿便が疑われます。→かかりつけの医師へ。

◎静脈瘤

妊娠したときや、下腹部に大きな腫瘍(たとえば巨大筋腫とか卵巣嚢腫)ができたときなど、血管が圧迫されて、血液の循環が悪くなり、外陰部から下肢にかけて、つたがはったようなかたちで静脈がふくれ上がります。 妊娠の際の静脈瘤は、週数が進むにつれてだんだんひどくなってきますが、分娩が終わると、うっ血はとれてきます。中年の肥満気味の人にもよく見られるもので、特に肥満傾向の強い外国の女性にはよくみられます。

◎食中毒

原因となる菌のちがいによって、さまざまなタイプの下痢、吐き気・おう吐(血が混じる)、腹痛、発熱、けいれん、激しい頭痛、めまい、昏睡などが、食後一定の時間を置いたのち、同時に数人に現れます。症状が激しい。→内科を受診する。

◎横隔膜ヘルニア(食道裂孔ヘルニア)

前かがみや横になると胸がやける、おう吐、出血などをともないます。胸腔に胃の一部が入り込み、胃の内容物が食道に逆流したため起こるもの。潰瘍や食道炎などの合併症を起こすこともあります

◎自律神経性外陰掻痒症

特別原因になるような病気がないにもかかわらず、激しいかゆみを訴える場合があります。ビタミン療法(ビタミンC)などによってかなり楽になりますが、どんな治療をしても、一向にかゆみがとれない場合があります。やたらにかゆがるだけで、なんの症状もない場合は、何か精神的な原因がある場合で、欲求不満(特に性的な不満)とか、ヒステリー性のものですから、心の奥にある原因をみきわめて、少しずつでも、それを解消していくことが必要です。

◎腎盂腎炎

背中の下部の左右一方だけ痛み、熱はないか微熱で、寒気がする。女性に圧倒的に多い。内科を受診。

◎心筋梗塞/狭心症

胸の中央の胸骨の下あたりが痛み、冷や汗がでるほどの激痛。左の肩腕に痛みがひびく。痛みが激しく、15分以上発作が続く場合には心筋梗塞で、急を要する。

◎神経性食欲不振症(拒食症・青春期やせ症)

若い女性で、食欲はないのに言動は活発でたいへん元気な場合、神経性食欲不振症が疑われます。→心療内科、神経科など専門医に相談する。

◎侵出性中耳炎

耳の症状をともない、徐々に難聴になる。

◎腎臓結石・尿管結石

横腹の左右一方が痛み、血尿、冷や汗、吐き気などをともないます。右上腹部が痛めば右腎結石、左なら左腎結石の疑いがあります。泌尿器科を受診してください。石が小さい場合は、利尿剤を用いたり水分を大量に摂ったりして、石を尿で流し出します。痛みが強ければ、鎮痛剤を投与することもあります。

◎心臓神経症/過呼吸症候群

徐々に強い不安、動悸、息切れ、手足のしびれ、けいれん、心臓の痛みなどの症状を訴えるが、心電図や血圧などの検査をしても心臓の異常が認められないときに使われる病名。ストレスや不安感を取り除くことが大切。ただし、症状だけで診断できず心臓系以外の病名のくわしい検査が必要。

◎心臓性ぜんそく

異物の吸引(老人・子供に多い)。座ると呼吸が楽になる。

◎心臓弁膜症

徐々に動悸、むくみなどの症状が出る。

◎心内膜炎

徐々に発熱、倦怠感、関節痛などの症状が出る。

◎心不全

心臓のポンプとしての作用が低下して、全身が必要とする血液を送り出せなくなった状態を心不全という。さらに心臓には、全身からの静脈血がもどってくる右心系(右心房、右心室)と、肺から動脈血がもどってくる左心系(左心房、左心室)があるが、このどちらが主に障害されているかによって、右心不全、あるいは左心不全に分類する。

◎すい臓炎

左の肩甲骨の下の片側がぬけるように痛む。強い腹痛、全身倦怠感、食欲不振、吐き気がある。

◎すい臓の病気

胃の不快感やもたれ、重苦しさをともなう場合、慢性胃炎、胃無酸症、すい臓病などが疑われます。→自己診断して市販薬ですませたりせず、きちんと消化器専門医の診断を受けること。

◎ストマイ難聴

結核の治療などでストレプトマイシン、カナマイシンの注射を受けている人の耳鳴り。

◎性病

性病というのは、性交によって感染する病気ですから、菌を持った男性との性行為の結果感染するのが大部分です。抗生物質の発達によって、ほとんどみられなくなった病気ですが、最近になって次第に多くなってきているようです。 性病のうちでも、特に淋病や梅毒は、女性の健康をそこねるだけでなく、不妊症や流産の原因となりますし、淋菌性の失明や梅毒による先天性梅毒児や奇形児をつくる原因にもなる恐ろしい病気です。

◎脊椎カリエス

はじめは全身のだるさや疲労感に、背中と腰の痛みをともないます。背骨が動きにくくなって、背中がこわばったようになり、背骨の一部が後ろに出っ張ってきます。→整形外科を受診します。

◎脊椎分離症・すべり症

運動時や運動後に腰が痛み、ときには脚まで放散する痛みをともないます。ぎっくり腰と非常に症状が似ているため、整形外科医を受診して、診断を受けることが必要です。

◎赤血球増多症

貧血とは逆に、血液中の赤血球やヘモグロビンの量が正常より多くなった状態。このため、血液が濃くなって粘稠度が増し、血栓症や脳梗塞などの合併症が起こりやすくなる。赤血球増多症には、@何らかの原因で骨髄での造血機能が高まって起こる真性の赤血球増多症と、A肺や心臓の病気などで血液中への酸素の供給が円滑にいかない時に赤血球が増えて、これを補おうとして起きる反応性の二次性赤血球増多症の二つがある。

◎摂食障害

偏食、拒食、多食などの食行動の異常をともなって急にやせる場合、神経性の摂食障害が疑われます。→神経科を受診する。

◎接触性皮膚炎

新しい下着にかぶれたり、体に合わない温泉に入ったりしたときに起こります。

◎尖圭コンジローム

外陰皮膚の乳頭(皮膚の一部)が増殖してできる腫瘤です。小さくて、先のとがったざらざらしたいぼ状のものです。 原因は、外陰部の皮膚の慢性刺激で起こるもので、たとえば、慢性外陰炎や、淋菌性の場合もあります。また、ウイルスによって起こされるともいわれています。 症状は、肛門の周りや、膣口、小陰唇の内側などに、一つ一つばらばらになった小さい先のとがったいぼがより集まって、米粒か小豆つぶくらいの大きさで、ニワトリのとさかのような形をしています。かゆく感ずるものから、ひりひりした痛みを感ずる程度まであって、腫瘤の数がふえてくると、外陰部全体がはれ上がり、カリフラワー状になってしまいます。色は、褐色から暗紫色をしたものが多いようです。 治療は、二、三個ぼつぼつができたころに治療すると簡単ですが、これが広がってからでは、治療にたいへん苦労します。まず、原因となっている病気をなおすことが先決です。 いぼ自体は、薬品でくさらせて落としたり、電気メスで焼き切ったり、外科手術によって切除したりします。

◎全身性エリテマトーデス(全身性紅斑性狼瘡)

代表的な膠原病で女性に多い。関節の痛みや顔面紅斑(蝶形紅斑)が特徴的。発熱、だるさ、体重減少などで始まり、全身の臓器に炎症が起こるため多彩な症状が起こる。治療は消炎剤や免疫抑制薬などによる対症療法が中心。厚生省の特定疾患(難病)の一つとして指定されている。

◎前立腺肥大症

50歳以上の男性で、排尿しようとしてから尿が出るまでに時間がかかる。とくに飲酒後は苦しい。尿の量も回数も減る。また、お年寄りや寝たきり老人の尿が出にくい・夜間頻尿・失禁をともなうのは前立腺肥大が、疑われます。→泌尿器科へ。

◎騒音性難聴

ある程度の大きな音を絶えず聞いている人の難聴。

◎続発性無月経

妊娠や、更年期からくる生理的な無月経は別として、かつて一度でも月経を体験したのち、月経がこなくなってしまう場合をいいます。 その原因も、原発性無月経のところで述べたことと同じですが、視床下部→下垂体前葉→卵巣→子宮、のどこかが、二次的に障害を起こしたとき、月経の周期は乱れるし、続発的に無月経となってしまいます。 腫瘍のために両側の卵巣を摘除してしまったり、卵巣が残っていても子宮を摘除してしまった場合には、月経はなっくなってしまいます。また、何度も人工妊娠中絶をしたために、子宮内膜が萎縮してしまったときにも、無月経になります。

◎続発性卵巣ガン

偽ムチン嚢腫や皮様嚢腫などが二次的に悪性変化を起こしたもので、最も多いものです。

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