婦人科

子宮筋腫の症状・・・子宮の異常

子宮の炎症性の病気 子宮の腫瘍

一口に子宮筋腫といっても、今までに述べたように、その発生する部位とか、筋腫の大きさ、合併症の有無、合併症が悪性であるか良性であるかなどによって、症状は全く異なってきます。
たとえば、子宮体部で、漿膜下にできたもの(子宮の表面に)では、そのまわりに癒着がなければ、かなりの大きさになってもほとんど無症状です。かなり大きくなって、自分でも下腹にかたいものが触れて初めて気がつく場合もあるのです。
その反対に、子宮体部の粘膜下筋腫(子宮体腔に近いところにできたもの)では、診察してもわからないほど小さくても、過多月経とか、月経痛のような、何らかの症状をあらわすものです。
合併症のない筋腫で起こる症状は次のようです。
過多月経
○月経の量が多くなるし、出血の期間も長くなります。主に、筋層内筋腫か、粘膜下筋腫がある場合に現れる症状です。筋腫のために、子宮筋肉の収縮力が悪くなることや、粘膜下筋腫のときなどは、子宮内腔が拡大されるので、内膜の剥離面積が広くなるので出血も多くなるのです。
不正子宮出血
○月経の周期に関係なく出血をみることがあります。主として粘膜下筋腫とか、粘膜面に突きだした筋層内筋腫の場合に起こる症状です。
圧迫症状(腰痛)
○筋腫が大きくなってくると、膀胱や直腸を圧迫するようになるし、さらには骨盤内の神経を圧迫するようになります。
膀胱が圧迫されると、排尿作用がうまくいかないので、頻尿になったり、尿が停滞してしまったりします。
直腸が圧迫されると、便秘になったり、排便が困難になったり、ちょこちょこと便意をもよおしたりします。
筋腫が極端に大きくなると、骨盤内の神経や血管が圧迫されて、血液の循環が悪くなり、下肢にむくみがきたりすることもあります。神経が圧迫されるようになると、これが腰痛の原因となるのです。
月経痛
○筋腫のできやすい年齢になってから月経痛がひどくなってきた場合、その原因が筋腫による場合、その原因が筋腫による場合が少なくありません。特に粘膜下筋腫や筋層内筋腫がある場合には、子宮壁の収縮が強くなるので、下腹痛や腰痛を併った月経痛がひどくなるのです。
過多月経があったり、不正子宮出血があるのに、長期間にわたってそのままにしていた場合には、次のような全身症状が出てくることがあります。
貧血
○特に過多月経が長期間続いた場合、体の血液が次第に少なくなってきて慢性の貧血状態に陥ることがあります。そのために体は疲れやすくなるし、ちょっと階段を上がっただけでも息切れがしたり、動悸がしたりします。さらに貧血が進むと血液が薄くなって体にむくみがきたり、心臓が肥大してきたりします。
筋腫のため大きくなった心臓は、筋腫心臓ともいわれるのですが、これは貧血のために二次的に心臓が変化を起こしたものです。
心臓障害
○筋腫心臓といわれるように、長期間にわたる貧血は次第に心臓を悪くしてしまいます。ちょっとかけだしてもすぐ動悸がしたり、脈搏の数が多くなったり、ひどくなるとチアノーゼを起こしたりもします。

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