現代医学から見た生理痛
若い未婚女性に多い機能性月経痛
現代医学では、月経の直前あるいは月経期間中に見られる下腹部または腰の痛みを月経困難症（月経痛）と定義しています。
月経痛は、機能性月経痛と、器質性月経痛の２つに大きく分けられます。
いわゆる「生理痛」の多くは機能性月経痛です。初潮開始後、しばらくして排卵が起きるようになってから始まり、未婚の女性や出産経験のない若い女性に多いのが特徴です。一般に、子宮の発育や結婚、妊娠、出産などがきっかけとなって痛みは軽くなります。
機能性月経痛は、子宮を収縮させる働きをもつ、プロスタグランジンという細胞内の伝達物質の過剰な分泌が原因だといわれます。このため、痛みは、プロスタグランジンが多いほど強くなる傾向があります。
一方、器質性月経痛は子宮内の炎症や子宮内膜症、子宮筋腫などが原因で起こります。中でも原因を突き止めにくいのは、子宮内膜症による月経痛です。子宮内膜症は子宮の内膜が本来あるはずのない場所に存在するためにおこる病気で、子宮筋の中や腸壁など、腹腔の中のさまざまなところで見つかることがあります。ほかの病気だと思っていたら実は子宮内膜症だった、ということもあるので、注意が必要です。