中医学から見た生理痛の治療
ストレスが主な原因
月経痛は、月経の前後に周期的に下腹部や尾骨が痛むもので、中国では「経行腹痛」とも呼ばれます。特に、初潮後2~3年の若い女性に多く見られます。
中国では、ストレス(80%)、身体的要因(10%)、生活環境(10%)が月経痛の原因となっています。
月経痛でよく見られるのは
気滞血瘀による実の痛み、寒湿凝滞による実の痛み、気血虚損による虚の痛み、肝腎虚損による虚の痛みの4つです。
①気滞血瘀による月経痛は、ストレスによって肝の機能が失われ、血行が滞るために起こります。治療には冠脉通塞丸などを使います。熱症状が加わるときは
加味逍遥散と
桂枝茯苓丸を使います。
②肝湿凝滞による月経痛は、寒湿の邪や冷たいものの食べすぎが原因で起こります。治療は、
温経湯などで行います。
③気血虚損による月経痛は、もともと体質が虚弱だったり、長い間病気をわずらうことが原因です。治療は、
十全大補湯・
人参養栄湯などで行います。
④肝腎虚損による月経痛は、ストレスや老化などによって、肝の血や腎の精が不足するために起こります。このタイプは
杞菊地黄丸などで治療します。冷えの強い人は、
八味地黄丸などで治療します。