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頭痛と漢方治療

固定性の頭痛

血行の停滞で起こる固定性の頭痛

からだのおとろえに病因物質がつけ込んで起こる頭痛

 打撲や外傷、手術後、慢性病などによってうっ血が起こったり、ほかの原因で頭痛を繰り返すうちに血行が停滞するようになると(「血瘀」)、一定の場所に刺すようなあるいは割れるような頭痛が起こることがあります。

 痛みは夜間に強くなり、皮膚に細い血管が浮き上がって、くもの巣のようにみえたり、皮膚に紫斑が現れ、舌に紫色の斑点(「瘀点・瘀斑」)がついたり、舌全体が紫色になると同時に、舌の裏側が曇りガラスでおおわれたようになります。また流れが悪く渋滞した有力な脈、あるいは弦を張ったような脈あるいは滑らかな脈をふれるようになります。

 このようなときは、血の流れを回復し、通り道をふさいでいる病因物質を除くために、「桂枝茯苓丸」あるいは「冠脉通塞丸」を使います。また、顔面蒼白、めまい、目のかすみ、痩せる、無月経、動悸、手足のしびれ、舌の色が淡い、脈が細いといった、血の不足(「血虚」)による症状があるときは、血を補い熱をおさえる「桃核承気湯四物湯をあわせたもの」を使います。冷えが強いときは、からだを温め冷えを除きながら血を補い、血の流れも回復させる「温経湯」がいいでしょう。

瘀血(オケツ)とは

正常な血液はサラサラとして、滞りなく全身を巡ります。体のすみずみまで栄養をあたえ、私たちの健康を支えてくれます。
ところが、何かの原因によって、血液の粘度が高くなると、サラサラとしてきれいなきれいな血液が、どす黒く粘りを増した状態になってしまうことがあります。
こうなると、今までスムーズにながれていた血液のながれが悪くなり、体のさまざまな所で淀みや渋滞を起こすようになります。自然の川も、水が澄んでいれば停滞は起こりませんが、濁った汚れたかわではヘドロなどが溜り、流れにくくなります。
これが「瘀血(オケツ)」です。つまり、体の中の血液が正常に流れなくなってしまうのです。

瘀血(オケツ)が発生すると

体の中のいたるところで痛みが起こったり、皮膚の色が黒ずんできたり、皮膚がザラザラしたり、とさまざまな症状が出てくるようになります。

女性であれば月経血に塊がまじったりします。人間にとってかけがえのない血液ですが、場合によっては健康をそこなうもとにもなるのです。さらに瘀血(オケツ)の状態が進行していくと、血管の老化が進み、高血圧や心疾患・肝臓疾患など、さまざまな生活習慣病へと移行することもあります。病気につながりやすいドロドロ淀んだ血液を、サラサラ流れるきれいな血液にかえる・・・。特に中高年方にとって、瘀血(オケツ)を改善することがみずみずしいからだを回復する最良の方法なのです。

瘀血の原因・症状・

瘀血の原因
精神的ストレス・打撲・運動不足・過食・美食・冷えと寒さ・血の栄養不足・気のめぐりが悪い為・慢性病

瘀血の症状

瘀血の症状は多様です。精神・身体症状がからだのさまざまなところに現れます。
疼痛・頭痛・神経痛・首筋の痛み・心臓の痛み・胃の痛み・腹痛・生理痛・など体の各所に痛みが起こります。痛みは同じ場所におこるのが特徴です。針で刺されるような痛みがジワジワと続き、夜間痛みが強くなります。

精神神経症状

いつもイライラしがち、のぼせ、不眠、憂鬱感があってクヨクヨとものを考える、といった精神神経症状が現れるようになります。