むくみ(経行浮腫)
生理前後に顔や」手足にむくみを生じるものを経行浮腫と言います。
全てのむくみは、脾腎に関係があります。脾腎両虚があると、水湿を運化する脾の働きが悪くなって水湿が有余となります。また、利尿する腎の働きも悪くなって水湿が有余となります。その有余の水湿が肌膚にあふれてむくみになります。経行浮腫は、「脾腎陽虚」「気滞血瘀」と弁証されます。
脾腎陽虚
脾腎両虚の体質であると、生理により脾腎の働きが悪化し、水湿を脾腎がコントロールできないためにあふれて経行浮腫になります。脾腎痿働きが弱い為に血の生成が悪くなり精血不足を生じますので、生理過少となります。生理のたびに顔や目がはれ、その症状は、特に朝著しい。全身症状として胃脘部が悶々と苦しくて多く食べられず腹部がはって泥状便になります。また、疲労して四肢が冷え尿量が減ります。
治則:健脾利水
方剤:
苓桂朮甘湯合
八味地黄丸
気滞血瘀
気滞血瘀の体質であると,肝気旺盛の生理時期に悪化するために、脾の水湿運化作用や腎の気化行水の働きに影響を及ぼし津液の流れが悪くなり、生理開始頃にむくむようになります。胸や胃脘部、胸肋部が悶々とはりつめた息をつくような症状があります。生理に血塊が混じるようになります。
治則:理気活血
方剤:
四物湯合
逍遥散(ためいき・胸肋部張り)
:
四物湯合
当帰芍薬散