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主な症状と治療の実際 |
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脾胃に主な原因がある場合
①炎症が強く、胃に灼熱感がある
赤みや痛みが強い口内炎で、胃に灼熱感がある、のどが異常に渇く、冷たいものを飲みたがる、といった症状をともなうのは、胃に発生した熱が原因と考えられます。 処方としては「白虎加人参湯」など、胃の熱を取り除く薬が適しています。便秘をともなう場合には、「三黄瀉心湯」などを用いてもよいでしょう。
②炎症が強く、吐き気や食欲不振をともなう
炎症が激しい急性の口内炎で、舌にべたっとした黄色い苔があり、吐き気や食欲不振をともなう場合は、主として脾胃の湿熱が関係しています。
処方は、黄連解毒湯や三黄瀉心湯に、余分な水分を取り除いて胃腸の機能を整える「平胃散」などを合わせたものがよいでしょう。
③口内炎が慢性化し、胃腸の調子が悪い
ふだんから胃腸の調子がすぐれず、口内炎が反復してできるような場合には、胃と腸のバランスがくずれて、湿熱が発生しやすくなっていることが考えられます。
この場合は、「半夏瀉心湯」を服用し、胃腸のバランスを整えることがたいせつです。
④みぞおちに灼熱感があり、舌苔がほとんどない
みぞおちの灼熱感や、のどが渇いて仕方ないという症状をともなう口内炎は、胃の水分の不足が原因です。この場合、舌はピカピカと光り、苔はほとんどありません。
このようなときは、胃を潤しながら熱を除く「麦門冬湯」などで胃の潤いを補っておくこともたいせつです。
⑤もともと胃腸が弱く、口内炎が治りにくい
口内炎は主に熱が起こす症状ですが、赤みも痛みも少なく、治りにくい口内炎の中には、からだの防衛能力の不足が原因となっていることがあります。この場合、胃腸が弱い、疲れやすい、かぜをひきやすいといった症状も現れやすくなります。 治療は、まず気を補って自然治癒力を助けることがたいせつです。口内炎がたくさんできても痛みや化膿がほとんどない場合は「小建中湯」を用います。 また、このようなタイプの人は、ふだんから「六君子湯」などの薬で胃腸の調子を整えておくとよいでしょう。
⑥ストレスが強く、胃腸の調子が悪い
ストレスが原因で胃腸の調子がくずれ、口内炎ができる場合があります。イライラしやすく、月経不順などをともなう女性の口内炎は、「加味逍遥散」を用いることもあります。
●心とは
心という臓器には、ポンプ作用によって血液を循環させる働きがある。血管が多く集まっている舌や顔面は、心とかかわりが深いため、心に熱が発生すると、口内炎などの症状が現れやすい。
●熱の性質
自然界の熱が、ものを焼き尽くし、水分を蒸発させるのと同じように、体内の熱(熱邪)も、炎症を起こしたり、潤いを失わせる性質がある。また、上に昇りやすいという性質もあるので、熱による症状は、顔などからだの上部に現れやすい。
●虚と実
「虚」はからだの機能が低下した状態で、「実」はからだに不要な物質がある状態をさす。したがって、からだの水分不足によって相対的に熱症状が出る場合は「虚熱」、体内に不要な熱が発生している場合は「実熱」となる。
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