【効能】 |
調和営衛・宣散通竅 |
【適応症】 |
表寒・表実(悪寒、無汗、発熱、頭痛などで項背のこわばりをともなうもの、鼻閉、鼻汁のあるもの) |
【類方比較】 |
葛根湯:葛根湯加川芎辛夷と同様の症状を呈するが、発病の初期あるいは慢性病の急性増悪期に用います。
小青竜湯:水様性の鼻汁が多い場合に用います。
荊芥連麹湯:副鼻腔、外耳、中耳、扁桃などに炎症を起こしやすく、分泌液が一層膿性な場合に用います。 |
【解説】 |
葛根湯加川芎辛夷は散寒解表(辛温解表)の麻黄・桂枝・生姜と生津の葛根、滋養の芍薬・大棗・甘草と活血の川芎、通竅の辛夷から構成されています。
くしゃみ・鼻水の症状が起き、特に鼻づまりが強く肩こりや頭重などの症状や濃い鼻汁の症状が残った鼻炎に使用します。
葛根で患部および筋肉の強ばりを緩め、芍薬・川芎で血液の循環をよくし、肩こりや頭重などを緩和し炎症を鎮めます。辛夷は川芎とともにのぼせを下げて、新陳代謝をよくし鼻づまりを改善する働きがあります。
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【治療の現場から】 |
★膿性鼻汁が多いときは、五虎湯を合方します。 |
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鼻閉・鼻漏・後鼻漏の症状を訴え慢性化したしたもの
項背部のこわばり・無汗・頭重・頭痛
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。 |
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【使用上の注意】 |
葛根湯加川芎辛夷は自汗(自然に出る汗)のある人には 、用いないでください。 |
【臨床応用】 |
蓄膿症、慢性鼻炎 |