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むくみと漢方


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1 夕方になると足がむくみます
  「食事に気をつけているのに効果が表われない」と嘆いている女性は意外に多いようです。そんな場合、原因の一つは「むくみ」にあることが少なくありません。
 むくみは、水分バランスの乱れによって起こります。漢方では、牌や腎といった臓器の働きが一因と考えます。例えば、牌は飲食物を栄養水として吸収し、それを全身に運搬する役目を持っています。ところが、慢性的な水分の摂取過多によって脾の働きが悪くなると、栄養水を運搬する作用が低下し、代謝されない栄養水が体内に残ります。それがむくみとなって表われるのです。
 体内に余分な栄養水が長期にわたって残っていると、体は冷えてきます。ここが重要なのですが、体が冷えると基礎代謝は低下します。ある研究によれば、体温が1度下がると、基礎代謝は10~12%下がるという結果が出ています。むくみと冷えが引き金になっで基礎代謝が低下し、「やせづらい」体質になっているのです。
 むくみの改善には防已黄耆湯という漢方薬が用いられます。
 この薬は、脾の働きを強くしながら水分代謝を促進し、むくみを改善します。服用していると基礎代謝も上昇するので、結果的にダイエットにも役立つという特徴もあります。
 なお、むくみ対策には、食事のバランスにも気をつけましょう。ダイエット中だからと生野菜や果物ばかり食べていないでしょうか。
生野菜や果物は水分量が多く、食べ過ぎると冷えやむくみの原因になります。
 基礎代謝を上げるためにも、日常的な運動をして筋肉を鍛えることも大切です。
2 加齢による腎の衰え
  歳をとると、目がかすむようになったり、夜トイレに起きるようになったりしますが、こうした症状は「水の再処理工場」のような役目を受け持つ腎の働きが低下することによって起こります。むくみもその一つです。

 こうした加齢によるむくみには、牛車腎気丸が適しています。この薬は、腎の水の代謝を高める働きがあり、体にとって「悪い水分」は捨て、「良い水分」だけを選り分ける「利水作用」に優れています。しばらく服用していれば、下半身のだるさやむくみも解消され、夜中トイレに起きることもなくなるのではないかと思います。
3 飲みすぎによるむくみ
  飲みすぎによるむくみには、五苓散という漢方薬をお勧めします。
 こうした一過性のむくみは、短い時間に大量の水分を取り過ぎたときによく起こります。五苓散は尿の量を増やすなど体内の水分を効果的に排出する作用があり、二日酔いによるむくみや吐き気などの諸症状によく効きます。

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