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冷え症と漢方


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1 冷えのぼせのある症状
女性が自覚する症状の中で、「冷え」は最も多いと言っていいでしょう。女子大学生を対象にしたある調査によると、「ふだんの生活の中で冷えを感じたことがある」と回答した人は約8割。また、東京ガス都市生活研究所の調査では、夏でも冷えを感じる女性は48.3%に達しています。
 冷えは一般的に直接病気と結びつくことが少ないため、あまり重要視されることがありません。西洋医学には「冷え」という病気の考え方がありませんが、漢方では、さまざまな病気を引き起こすサインであるとして重要視していま
す。めまい、肩こり、腰痛、便秘、生理不順、しもやけ、自律神経失調症といった症状も、多くの場合には冷えが原因で起こることが少なくありません。
 漢方では、瘀血と呼んでいますが、体内の血液の流れが悪くなって栄養やエネルギーが体の中を巡らなくなって冷えが起こると考えられています。足は冷えるのに顔はのぼせるという「冷えのぼせ」が最大の特徴で、アザができやすい、肩こり、生理痛があるといった症状を伴います。治療薬には桂枝茯苓丸を用います。血液循環障害を改善することで暖かい血液を全身に運び、冷えを改善します。
2 血不足の冷え
  漢方では「血虚」と言いますが、体がデノケートで疲れやすく、顔色がすぐれない女性に起こりやすい冷え症です。肌あれ、手足のしびれ、生理が遅れるといった
症状を伴うこともあります。こうした冷え症には当帰芍薬散を用います。この薬は、細胞内に栄養物質やエネルギーを送り込んで血液循環を促進し、全身を温める働きがあります。
3 ストレスと冷え
  何かの原因で自律神経がコントロールできなくなると、冷えやイライラが起こりやすくなります。感情の起伏が激しくなり、生理も乱れがちになります。こうした時には、自律神経の安定を保ちながら血液循環を調整する加味逍遥散です。更年期にさしかかった女性の冷え症には特に効果がありますす。

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