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アレルギー性鼻炎と漢方


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1 花粉症になりやすい体質とはどんな人でしょう。
  花粉症が多くなったのは、戦後の植林政策によづてスギやヒノキの林が増えたことに加え、食生活の欧米化などで日本人の体質が変わってきたことが一因といわれています。さらに、交通網の発達により大気汚染が広がづていることも要因の一つと指摘されていま。花粉症はアレルギー性鼻炎の一種です。春の花粉症は、スギやヒノキの花粉が原因ですが、抗原には、ブタクサ、カモガヤ、ダニ、ハウスダスト、ペットの抜け毛など私たちの身の回りに、年間を通してあります。
2 漢方薬の特長と働き
  最近では、眠気やだるさといった副作用が起こりにくいことから、漢方薬を服用する人が増えています。忙しい現代人にもぴったりです。
また効き目が遅い、と考えられがちなのですが、体質と症状に合った薬を服用すれば効果も現われますし、何より「花粉症にかかりやすい体質」を改善することができます。
3 花粉症にかかりやすい体質
漢方では花粉症などのアレルギー性鼻炎は、「水分代謝が悪く、防衛力が弱い人」がかかりやすいと考えています。水分代謝が悪くなると、代謝されなかった余分な水分(栄養水)が体内に残ります。そして、それが原因で体の生理機能が影響を受け、体に備わっている防衛力が低下するのです。ちなみに、水分代謝は水分のとり過ぎに加え、過労やストレスなどによっても悪くなりますから注意が必要です。
4 小青竜湯
  最も代表的な漢方薬が小青竜湯です。鼻水やくしゃみが一日中止まらない、といった鼻炎によく効きます。特に気が付いたら薄い鼻水が鼻から垂れてきた、というように分泌物が薄いことが特徴です。
 このような症状は、体内に冷えを持っていると考えます。小青竜湯は、冷えた体を温めながら水分代謝を促進し、鼻炎症状を抑える働きがあります。この薬は、「青竜、白虎、朱雀、玄武」の名で知られる中国の「四神伝説」に由来した漢方薬です。古くから、竜は海や水を治める神秘的な動物神と崇められています)小青竜湯は体の中の水分を治めるわけですから、薬効にマッチしたネーミングです。花粉症の初期症状には、まずこの漢方薬をお勧めします。
5 鼻づまりが苦しい
  葛根湯加川芎辛夷という漢方薬があります。くしゃみや鼻水が一段落しても、鼻づまりの症状がなかなか治らない、ということが少なくないようです。
中には、呼吸をするのもつらいほどの頑固な鼻づまりに悩んでいる人もいます。このような場合には、冷えを改善するだけでなく、つまっている鼻を通す必要があります。葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯に血行促進作用と「鼻を通す」働きがある2つの生薬(川芎・辛夷)をプラスしたものです。辛夷は歌謡曲でもお馴染みの「コブシ」のつぼみのことです。昔から鼻づまりに用いられていたんです。
6 目の症状
  鼻炎は慢性化しやすい疾患です。症状が慢性化すると、熱を帯びるようになります。例えば、粘り気のある膿のような鼻汁が出たり、目のかゆみや充血、口が渇くといった症状です。このような慢性化した「熱の鼻炎」には荊芥連翹湯という漢方薬が用いられます。この薬は、粘り気のある濃い鼻汁や目のかゆみといった炎症症状を「清熱作用」によって抑えます。ふだんから服用すれば、慢性鼻炎の体質を改善する効果も期待できるほか、蓄膿症の治療薬としても応用できます。
 もちろん、漢方薬は万能ではありません。症状に合せて新薬などと組み合わせて、上手に花粉症と付き合って欲しいです。

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