胃腸病と漢方・・・・腹痛のことなら家庭の中医学  
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  胃腸病と漢方・・・・腹痛

急性腹痛の診断治療


中医学を学び実践している私達は、治りにくい病気・中医学の方が現代医学よりもすぐれている胃腸病の治療をこのサイトで取りあげていきたいと思います。
「おなかが痛いといって、子どもが急に泣きだした」「下腹部の両側が強く痛む」「へそのまわりが脹って痛い」・・・。
腹痛は、痛みのおこり方や部位、性質、随伴症状など、さまざまな条件を総合して、診断と治療を行うことが大切です。
中医学からみた腹痛
急性腹痛の診断治療
慢性腹痛の診断と治療
   
1 膀胱炎や尿道炎による腹痛は有害な熱や水分を追い出して治療する
  不摂生な食生活や、感染などが原因で生まれた余分な熱が、停滞した水分と結びついて「湿熱」となり、膀胱の働きを妨げると、膀胱炎や尿道炎がおこり、下腹部の中央がひきつって痛みます。
 このような「膀胱湿熱」の腹痛は、尿の色が濃い・ときに血尿・尿量が少なく、出ないこともある・排尿時の灼熱感・のどの渇き・便秘・舌の色が紅く黄色い苔がつく・脈拍が速く、脈が弦を張ったようになる、といった症状をともないます。
 治療は、炎症を抑え、有害な熱や水分を尿にして出す「猪苓湯」などで行います。

2 大腸炎による腹痛は有害な水分を除き熱を冷まして止める
  不潔な食べ物や、不摂生な食生活が原因で生まれた有害な水分が熱を帯び、腸の働きを妨げると、下腹部の両側が強く痛みます。
 このような「大腸湿熱」の腹痛では、血の混じった下痢・便意があるのにすっきり出ず、肛門が圧迫されるように感じる「裏急後重」のどの渇き・舌が紅く黄色くべっとりした苔がつく・脈が滑らかで脈拍数が多いなどの症状をともないます。 治療は、有害な水分を除いて熱を冷まし、痛みを止める「黄連解毒湯」などで行います。 なお、症状が軽いときは、熱を除いて下痢を止める「藿香正気散黄連解毒湯の併用」を使います。
 また、裏急後重や肛門の圧迫感、粘血便などの症状がなく、水様あるいは泥状の下痢を伴う「寒湿」の腹痛には、有害な水分を除く「藿香正気散」や「五苓散」「平胃散」(又は両処方の併用)などを使うといいでしょう。

3 急激な冷えによっておこる腹痛は、温めて治す
  急にからだが冷えたり、生ものや冷たいものをとりすぎると、消化と吸収を行う「脾胃」の働きが妨げられ、へそのまわりを中心に、激しい脹った痛みがおこります。
 こうした「寒凝」の腹痛は、温めるとやわらぐほか、腹が鳴って冷たい・便秘あるいは下痢・手足の冷え・舌が青白っぽく、薄く湿った苔がつく緊張した遅い脈をふれるなどの症状をともないます。
 治療は、おなかを温めて脾胃の働きを回復する「人参湯」や「呉茱萸湯」のほか、「平胃散」と「人参湯」を合わせたもの、「安中散」と「平胃散」を合わせたものなどで行います。
4 熱性の症状をともなう腹痛は便とともに熱を追い出して治す
  カロリーの高いもののとりすぎや、味の濃いものや刺激の強いものの食べすぎなどが原因で、胃が充血し続けたり、活動力が落ちると、脾胃の働きが妨げられて、強い腹痛がおこります。
 このような「胃熱」の腹痛は、へそのまわりを中心に硬く脹ったように痛み、発熱・発汗・便秘あるいは悪臭のある下痢・尿の色が濃い・のどが渇いて冷たいものを飲みたい・舌が紅くザラザラして黄色く厚い苔がつく・脈に力があって脈拍が速い、あるいは腸内に長い間たまった大量の熱によって大便が乾燥して動かなくなるために腹が脹って痛むときは、反対に遅く力のある脈をふれるようになる、といった症状をともないます。
 治療は、便とともに熱を出す「調胃承気湯」などで行います。

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