1 |
膀胱炎や尿道炎による腹痛は有害な熱や水分を追い出して治療する |
|
不摂生な食生活や、感染などが原因で生まれた余分な熱が、停滞した水分と結びついて「湿熱」となり、膀胱の働きを妨げると、膀胱炎や尿道炎がおこり、下腹部の中央がひきつって痛みます。
このような「膀胱湿熱」の腹痛は、尿の色が濃い・ときに血尿・尿量が少なく、出ないこともある・排尿時の灼熱感・のどの渇き・便秘・舌の色が紅く黄色い苔がつく・脈拍が速く、脈が弦を張ったようになる、といった症状をともないます。
治療は、炎症を抑え、有害な熱や水分を尿にして出す「猪苓湯」などで行います。
|
2 |
大腸炎による腹痛は有害な水分を除き熱を冷まして止める |
|
不潔な食べ物や、不摂生な食生活が原因で生まれた有害な水分が熱を帯び、腸の働きを妨げると、下腹部の両側が強く痛みます。
このような「大腸湿熱」の腹痛では、血の混じった下痢・便意があるのにすっきり出ず、肛門が圧迫されるように感じる「裏急後重」のどの渇き・舌が紅く黄色くべっとりした苔がつく・脈が滑らかで脈拍数が多いなどの症状をともないます。 治療は、有害な水分を除いて熱を冷まし、痛みを止める「黄連解毒湯」などで行います。 なお、症状が軽いときは、熱を除いて下痢を止める「藿香正気散と黄連解毒湯の併用」を使います。
また、裏急後重や肛門の圧迫感、粘血便などの症状がなく、水様あるいは泥状の下痢を伴う「寒湿」の腹痛には、有害な水分を除く「藿香正気散」や「五苓散」「平胃散」(又は両処方の併用)などを使うといいでしょう。
|