排尿困難の治療対策は漢方薬のことなら家庭の中医学  
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 漢方でむくみ対策

排尿困難の治療対策は漢方薬

排尿困難の原因とメカニズム
排尿困難の治療
 
 
 
 
   
1 高齢者で、冷えや頻尿を伴なう場合 腎陽虚
  排尿困難が最も多く見られるのは、高齢者です。典型的なのは、力を入れないと尿が出ない、尿が出始めるまでに時間がかかる、尿のでかたに勢いがない、といった症状です。これに、尿の色が薄く透明に近い、夜中に何度もトイレに行きたくなる、からだが冷える、足腰がだるい、などの症状が加わった場合は、腎陽の不足が原因と考えられます。

この場合、基本となるのは、腎陽を補って、腎全体の機能を整える「八味地黄丸」という処方です。この薬は、腎陽の不足による頻尿や尿失禁を伴う場合にも有効です。また、尿量が少なく、体内に水分が滞って下半身がむくんでいるような場合には、「牛車腎気丸」を用います。

夜中の頻尿について
陰陽論によると、昼、春夏などは「陽」、夜、秋冬などは「陰」に属します。自然界の陰陽と体内の陰陽は呼応しているため、腎陽が不足すると、陰に支配されている夜や冬に症状があらわれやすくなります。
2 食欲不振や全身のだるさを伴う場合 脾胃気虚
  特に高齢者ではなくても、体質素因や過労がもとになって、尿がではじめるまでに時間がかかる、尿の色が薄くて透明に近い、といった症状が現れることがあります。
 これに、いつもだるくて疲れやすい、食欲がない、便秘または下痢しやすい、といった症状が加割る場合は、日いの機能が低下して、からだが必要とするエネルギーをうまくつくりだすことができず、それが膀胱の排尿機能にも影響をおよぼしていることが考えられます。こういう人は、睡眠を十分にとったあとなどはすっきりと尿が出るのに、夕方になって疲れると、出が悪くなるという特徴があります。

この場合、脾胃の気を補い、消化・吸収力を高める「補中益気湯」で不足しているエネルギーを補うことが大切です。ただし、補中益気湯には膀胱の機能を直接コントロールする力はないので、水分代謝を調節する「五苓散」などをあわせて使います。また、若いのに寒がりで、下半身がむくみやすいような場合には、補中益気湯に「真武湯」をあわせたものを使っても良いでしょう。
3 ストレスが強く情緒が不安定な場合 肝鬱気滞
  ストレスが強く、イライラしやすい人に多いのは、不安定型の排尿困難です。すっきりと出ることもあるのに、精神的な問題があると尿がでにくくなり、それを気にしはじめると症状が悪化したりします。また、下腹部が張る、男性の場合は睾丸が痛む、といった症状が現れることもあります。

これは、気のめぐりが悪いために起こる排尿困難と考えられます。この場合は、情緒をコントロールして気のめぐりをよくする「小 柴 胡 湯」などに五苓散をあわせて使うといった方法があります。ただし、のぼせやほてりなどの症状がある場合は五苓散は使いませんので、加味逍遥散に「猪苓湯」をあわせたもので対応します。
4 尿の色が濃く、排尿時に灼熱感がある場合 膀胱湿熱
  ストレスや脂っこいものの食べ過ぎなどで生まれた湿熱が、肝や脾胃を傷つけると、膀胱に影響が及ぶことがあります。この場合は、尿がすっきりでない、排尿時に灼熱感を伴う、尿の色が濃い、頻尿で尿量が少ない、のどが渇く、などの症状が現れます。

処方の基本となるのは「八正散」です。便通がすっきりしない、おなかが張る、ゲップが多い、舌に白または黄色の苔がべったりとしているなど、脾胃の湿熱の症状がはっきりしている時は、八正散に平胃散を加えるとよいでしょう。八正散は、エキスがありませんので、猪苓湯と大黄甘草湯の併用にされると良いと思います
 また、脇腹がはったり痛んだりする、排尿時に睾丸に痛みが放散する、などの症状が顕著な場合は、肝胆の湿熱を取り除く「竜胆瀉肝湯」を用います。
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