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ニキビと漢方薬治療とその効果
ニキビの原因とメカニズム  
赤く腫れて、化膿しやすいニキビの診断と治療
生理前におきる赤く、化膿しやすいニキビ  
慢性化して治りにくいニキビの診断と治療  
ニキビ治療の現場から  

   
  肺に熱がたまっているところに
熱が侵入しておこる、赤く大きなニキビ

 
 肺は、気道を通じて自然界と直接つながっています。そのため、いつも邪の侵入をうけやすい状態にあります。
 また、からだの上のほうにあるため、上昇する性質をもつ熱の影響を絶えずうけやすくなっています。
 さまざまな原因で内臓の陰と陽のバランスが失われ、熱となって肺の働きを乱すと、皮膚の働きも乱れて、邪が侵入しやすい状態になります。
 このとき、「風邪」が引き金になって、皮膚の働きがさらに乱れると、ニキビがあらわれます。
 ニキビの色はまっ赤で、腫れて高くもりあがります。ちょっとした刺激でも化膿しやすく、出血しやすいのが特徴です。
治っても、跡が残ることの多いニキビです。
 また、舌の先端が紅くなって薄い苔がつき、脈が浮いて脈拍が速くなります。
 このような 「肺経鬱熱」タイプのニキビは、風邪を除き、熱を冷まして腫れや化膿を止める「清上防風湯」や「荊芥連翹湯」や「銀翹散」で治療します。
 
 熱が強く、顔面紅潮・イライラ・のどの渇き・化膿が強いといった症状があるときは、熱を冷ます力の強い「三黄瀉心湯」「黄連解毒湯」が効果的です。しかし、あまり長く使ってはいけません。そしてニキビが吹き上がらないように必ず平胃散との併用をします。併用しますと非常に良く効きます。
 また、汗が出ず、肩がこり、.顔面・口のまわり・背中にたくさんニキビが出て、浮いた脈をふれるときは、風邪を発散する「葛根湯」を使います。
 もし、「風湿」 の邪によって皮膚の働きが乱れ、汗が出ない・体がだるい・鼻づまり・舌に白くべっとりした苔がつく・浮いた力のない脈などの症状をともなうときは、風湿を除いて化膿を止める 「十昧敗毒湯」、夏に冷たいものをとりすぎて嘔吐や下痢をおこし、「寒湿」の邪が皮膚の働きを乱してニキビができたときは、「藿香正気散」で治療するといいでしょう。

乱れた食生活が原因でできる
赤く大きなニキビ


 辛いものやあぶらっこいもの、熱いものや味の濃いものを食べすぎたり、酒を飲みすぎると、胃の中で熱が生まれます。この熱が上昇して肺の働きを妨げると、ニキビがあらわれます。
 ニキビの色は赤く、大きく、化膿しやすく、つぶすと白い脂肪のようなかたまりが出て、痒みや熱感をともなうのが特徴です。
 そのほか、口臭・口内炎・便秘・舌が紅く黄色い苔がつく・脈が「滑」あるいは「弦滑」などの症状もあらわれます。
 このような「肺胃積熱」 によってできるニキビは、便とともに熱を追い出す「防風通聖散」や「調胃承気湯」で治療します。
 また、のどが渇いて冷たいものをたくさん飲む・汗がたくさん出る・脈が「洪大」など、熱が強く乾燥症状をともなうニキビには、「白虎加人参湯」がいいでしょう。熱を冷まして化膿をおさえる力を高めたいときは、「どくだみ」を加えると、いっそう効果的です。口渇・火照りの症状があるニキビに「白虎加人参湯」を良く用います。
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