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月経前の女性のほおにできる
赤く、化膿しやすいニキビ
精神的なストレスをうけたり、イライラや緊張などが原因になると、精神情緒や全身の正常な活動を調節する肝の働ききが滞り、熱が生まれます。この熱が肺の働ききを乱すようになるため、赤く、化膿しやすいニキビが、両方の頬にまとまってあらわれます。
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この場合、胸からわきにかけての脹りや痛み・イライラ・怒りつぼい・のぼせ・舌が紅くなって薄い苔がつく・脈が弦などの症状をともない、ひどいと、血のまじった痰をともなって、激しい咳が出ることもあります。
女性の場合は月経の前にあらわれることが多く、月経も乱れやすくなります。 このような「肝鬱化熱」 によるニキビの治療は、熱を冷まして化膿をおさえ、血を補いながら肝の働ききを回復する「逍遥散」や「加味逍遥散」や「大柴胡湯」のほか、「小柴胡湯」に石膏を加えたものや、「防風通聖散」に 「竜胆潟肝湯」を合わせたものなどで行います。肺の熱を冷ます力を強めたいときは、どくだみを加えるといいでしょう。
治ってもあとが残りやすい
紫色の硬いニキビ
外傷や手術などの外因・冷えによる血管の収縮・熱による血の消耗・余分な水分の滞り・血流を調節する肝の衰え・血の量の不足あるいは血を動かす気の不足などがおこると、血の流れが滞るようになります。
ニキビは紫がかった色で、硬く、かくと出血するほか、治ってもあざのような跡が残ります。ニキビがないところも、肌の色が暗くなったり、シミができるようになります。
このような「血瘀」の状態になると、のぼせ・ほてり・イライラ・汗が出るといった、体の上の熱症状と、下腹部の冷え・月経不順・月経痛・不正性器出血といった、体の下の冷えの症状が同時にあらわれます。また、舌が暗い紫色になったり、紫がかった斑点がつくようになります。
この場合は、うっ血を除いて血の流れをよくする「冠脉通塞丸」や「桂枝茯苓丸」「桃核承気湯」で治療を行います。
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