薬だけに頼らず、外的要因を見直す
漢方が考える冷え症の原因には、内的要因のほか、生活環境などの外的要因も挙げられます。例えば、冷房の効き過ぎや体を冷やす服装、冷たいものの飲食などがそうです。また、運動不足からくる筋力低下も一因となります。
したがって、いくら漢方薬を服用しているからといっても、体を冷やす生活をしていては何も変わりません。冷え症の予防改善のためには、生活環境や習慣を変えることがとても大切です。冷房が効き過ぎている電車の中やオフィス内など、自分ではどうすることもできない環境もありますが、外的要因の存在もふまえた冷え対策をしていくことが重要です。
冷え症に性別差はない
冷え症は女性に多く見られる症状ですが、これを引き起こす外的要因は、男女の区別なく、現代人の生活環境に根深く潜んでいます。性別の違いが発症率に絶対的な差を生むわけではない、ということです。
一日中冷房の効いたオフィスで過ごし、夏でも冬でも冷たいビールを飲んで体を冷やすといった生活をしている人は、男女の区別なく注意が必要だといえるでしょう。
「自分はのぼせるくらいだから冷え症とは無縁だ」と考える人は、ことさら気を付けなければいけません。漢方では、のぼせは下半身が冷えているせいで気のめぐりが悪くなって起こる症状だと考えているのです。これをほうっておくと体に冷えをためこむことになりかねません。心当たりのある人は、早めに対処しましょう。