不妊症の定義
■ 多嚢胞性卵巣症候群
卵巣の中には、「原始卵胞」がたくさんあり、性線刺激ホルモンの作用を受けて発育し、「発育卵胞」となります。発育卵胞」となります。発育卵胞は成熟し「成熟卵胞」となりやがて排卵されます。しかし性線刺激ホルモンの働きに異常があると卵胞が成熟せず「閉鎖卵胞」となって卵巣の中で萎縮してしまいます。
普通、閉鎖卵胞は自然に吸収されてしまうのですが、吸収されず大小さまざまな袋状の嚢胞を形成し、そのために、卵巣が肥大している状態が「多嚢胞性卵巣症候群」です。原因にはいろいろな説がありますが、男性ホルモンの過剰がベースにあると考えられています。そのため、多毛などの男性化症状や乳房の発育不全などが現れるほか、不正性器出血や肥満を伴うことがあります。
■ 多嚢胞性卵巣症候群は「無排卵性稀発月経」
月経周期が39~90日の間で周期が長いものを稀発月経といいます。性腺刺激ホルモンの分泌異常が一般的な原因と考えられています。性線刺激ホルモンが不十分なため、卵胞の発育が途中で止まって閉鎖し、子宮内膜の消退出血をみる「見せかけの月経」を長いこと繰り返します
中医学の立場から
イ. 腎虚痰実
月経周期が長い、量が少ない、甚だしい場合は閉経、肥胖、多毛、乳房が発育しない、寒がり、手足が冷たい、嗜眠で疲労、足腰無力、舌胖淡、苔薄白
治法原則:温腎助陽、滌痰軟堅
方剤:
牛車腎気丸合
二陳湯
ロ. 陰虚瘀阻
経期延長、経量は多いこともある、閉経、時にダラダラ続く、口乾咽燥、便秘気味、
舌質紅、苔少
治療原則:養陰清熱、活血調経
方剤:
六味丸合
冠脉通塞丸