中医学から見た女性不妊治療・・腎精不足
中医学で妊娠が完成するには、まず腎の機能が旺盛で精血が満ちあふれ、衝任が通じ、月経が定期的にあれば、男性の精と女性の精が結合し、妊娠すると言われています。もし、腎の機能が低下すれば、衝任脈の気血が不足し妊娠が困難になり、仮に妊娠しても養胎できません。
腎精
腎は精を蓄え衝任脈や全身に腎精を供給しています。腎精は、五臓六腑に栄養を送り人体の成長、発育を促進させたり、生命活動を維持するのに必要不可欠な精微物質です。また、子宮を成長させたり生理を調節し、婦人科臓器や生殖器の働きを高めます。
腎精不足
腎精不足とは、先天的虚弱・早婚・大病・慢性病などで、腎の精気(腎精とそこから生発する気を含めたもの)が不足した病態です。腎精が不足したために、血が不足して衝任脈を通じて子宮などを養うことが出来ず不妊となります。腎気が成長しますと、気・血・精も活発になってきて衝任脈も活発に渇でオウできるようになり、子宮に血や精が満たされるようになり生理が順調になり、妊娠できるようになってきます。
【治療の現場から】
月経量が少ない、月経周期が一定しない、無月経、その他一般症状として頭のふらつき、めまい、耳鳴り、腰や膝がだるく無力
治療原則 補腎益精
処方:
六味丸
滋陰補腎の代表的方剤「六味地黄丸」の簡単解説
「腎は精を蔵し、生長・発育・生殖を主る」
六味地黄丸は、腎精不足と虚熱の病態に用いられます。六味地黄丸の主薬は、熟地黄で、滋補腎陰・填精補髄に働きます。熟地黄・山薬・山茱萸で腎と子宮の働きをよくし、沢瀉・牡丹皮・茯苓で血や水分の巡りをよくします。