基礎体温は二層、高温期が短く低い
■ 西洋医学の立場から
黄体期の短縮は、主に「黄体の機能不全」によって起こります。これは排卵後に、卵胞に出来る黄体の絹がうまく働かず、黄体ホルモンの量が異常に少なくなるのが原因で起こります。黄体ホルモンの子宮内膜への働きが不十分なため、排卵があって受精しても、子宮内膜へ着床しにくく、その為、不妊の重要な原因の一つになっています。治療に当たっては、まず、黄体期の血中の黄体ホルモン値を測定し、黄体機能不全の程度を調べることが重要です。また、子宮内膜も採取して顕微鏡で調べます。子宮内膜が黄体ホルモンに正常に反応して着床できる状態が整っているかどうかを調べる検査です。
治療法としては、黄体期に黄体ホルモンを補う目的で、プロゲステロンを補充するプロゲステロン補充療法があります。
中医学の立場から
黄体機能不全は、黄体不健といわれており、中医学では「月経先期」「月経量多」「経期延長」の範囲に属します。
病因病機では、飲食不節や過労で脾の機能を傷つけたり、虚労で腎精を耗損し、気の固摂力が低下することにより起こるとしています。
脾虚腎虧
月経先期、経量多、経色淡、経質稀、身体虚弱で疲れやすい、食欲が活発でなく食少、軟便、舌質淡
治法原則:補腎気、固衛任
方剤:
補中益気湯合
鹿茸大補湯
八味地黄丸合
呉茱萸湯