中医学から見た女性不妊治療・・気血不足
先天的な虚弱体質、慢性病、過労などにより気血が不足。または脾胃虚弱による気血の産生不足により衝任脈を通じて胞宮を養うことができないため不妊を引き起こします。妊娠できるけれでもよく流産する人はこのタイプがひじょうに多く見られます。また、体力低下がひどいときは、生理周期が早まり、漏れるようにサラサラで多量の出血となり、ダラダラ長期にわたって生理が続きます。胃腸の弱い人、過労している人に多く見られます。
症状 不妊とともに、顔色につやがない、頭のふらつき、目のかすみ
爪がもろい、元気がない、疲れやすい、舌質淡
月経周期の延長、経量が少ない、経色淡
治療原則 元気を益すことにより機能を高め血を補充する(補気養血)
処方:
十全大補湯
気血双補の代表的方剤「
十全大補湯」
気虚と血虚が同等に存在する気血両虚に用いられます。
十全大補湯は、益気健脾の四君子湯と養血活血の四物湯を合方した八珍湯に、黄耆を加え補気生血を強め、温補脾腎の肉桂で陽気を盛んにし、気血双補の基本方剤になっています。
十全大補湯の簡単解説
当帰・白芍・川芎・熟地黄で血を補い腎と子宮の働きをよくします。人参・白朮・茯苓・炙甘草で脾胃の働きを丈夫にし消化力を高めます。桂枝・黄耆で気の巡りをよくし体力アップをはかります。